口腔カンジダ症と腸内環境の関係性と、そこから分かる様々な繋がり
口腔内に存在するカビ、カンジダ真菌に関する新たな論文1が発表されました。
【研究成果】腸の免疫応答が口腔カンジダ症を防ぐ仕組みを解明~腸内環境を整える食習慣などに症状改善の期待~ | 福岡歯科大学
- 真菌(カビ)感染症である口腔カンジダ症を防ぐ免疫細胞としてヘルパーT細胞が注目されていましたが、カンジダ真菌に応答する詳細なメカニズムは不明でした。
- カンジダ真菌が腸で取り込まれており、カンジダ真菌に応答するヘルパーT細胞が腸で活性化した後に口へ移動して口腔カンジダ症の重症化を防いでいることを発見しました。
- 食習慣の改善などで腸内環境を整えることによって、口腔カンジダ症を防ぐことが期待されます。
そもそもカンジダ真菌は口腔内にいる常在菌で、健康な状態ではほかの口腔内微生物とのバランスが保たれていますが、免疫力が低下したり汚れた義歯を使い続けることで感染してしまうことがあります。
義歯(入れ歯)装着者におけるカンジダ真菌を原因とした義歯性口内炎の有病率が15%から70%超と言われていて2、義歯自体に付着した細菌が呼吸器感染症の原因となる3ことも分かっています。その論文によると、”義歯のうち、64.6% に既知の呼吸器病原体が定着していました。黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、緑膿菌、インフルエンザ菌B型、化膿性連鎖球菌、モラクセラ・カタラーリスの6種が同定された。緑膿菌が最も豊富な種であり、次いで肺炎連鎖球菌および黄色ブドウ球菌が続いた。参加者のうち、37% が義歯口内炎を発症していた。“とあります。
つまり、義歯の衛生管理を定期的に実施することは、高齢者における呼吸器感染症のリスクを軽減するのに役立ちますし、その際に腸内環境が良ければさらにそのリスクを低減できる可能性がある、ということではないでしょうか。
入れ歯もモノですので、使い続ければダメになっていきます。お口の中も入れ歯も定期的なチェックをして健康でいたいですね。
引用文献
- Fungal pathogen-responsive Th17 cells in gut-mouth axis enhance protection against oropharyngeal candidiasis: iScience
- Gendreau, L., & Loewy, Z. G. (2011). Epidemiology and etiology of denture stomatitis. Journal of Prosthodontics, 20(4), 251–260. (義歯性口内炎の疫学と原因に関する総説)
- O’Donnell, L. E., et al. (2015). Dentures are a Reservoir for Respiratory Pathogens. Journal of Prosthodontics, 24(2), 99–104. (義歯が呼吸器病原体の貯蔵庫である可能性を示唆する研究)
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