コーヒーによる歯の着色をなるべく抑えるには?ミルクや砂糖は影響する?

歯の着色は気になるけど、コーヒーは飲みたい。そんな方にどうしたらいいか、いくつかの論文を調べてまとめました。
1. 着色メカニズム
コーヒーに含まれるポリフェノール(主にクロロゲン酸、カテキン類、タンニン)は、口腔内で唾液中のプロリン含有タンパク質と結合し、ペリクル(歯表面のタンパク質膜)に堆積してステインを形成する。この層はエナメル質とイオン結合し、通常のブラッシングでは落としにくいとされます。さらに、焙煎過程で発生するメラノイジン(褐色高分子化合物)が色素の安定化と強固な付着に寄与します[1][2]。
| 因子 | 主な効果と科学的知見 |
|---|---|
| ポリフェノール | クロロゲン酸(CGA)は着色と正の相関があり、CGA含量が高いコーヒーほどステイン形成が促進される傾向がある[1][3]。 |
| メラノイジン | 焙煎温度154°C以上で糖とアミノ酸のメイラード反応により生成。最大吸光波長約405–420nmで測定され、コーヒーの色素濃度指標となる。メラノイジン濃度が高いほど着色力が強い[1]。 |
| 焙煎度 | ライトロースト:CGA最多だが着色最小 ミディアムロースト:CGAとメラノイジンのバランスにより着色最大(ΔE₀₀ at 72h 13.51±4.63)[1]。 ダークロースト:CGAは低下するがメラノイジンが増加し、着色は中程度(ΔE₀₀ 6–8程度)[1]。 ※(ΔE00値が0.8を超える場合、人の目には色の変化が知覚できるとされる) |
| コーヒー温度 | 熱いコーヒーは冷たい場合に比べてペリクルへの吸着とエナメル軟化を促進し、短時間(3h浸漬)で知覚可能な着色を引き起こす[3]。 |
| 豆の品種 | ArabicaはRobustaより着色傾向が強い報告あり(pHや精油成分などが影響)[3]。ただし、焙煎度による差の方が大きい。 |
| 添加物(糖・牛乳) | 砂糖添加は着色を悪化させ、牛乳や水の添加はステイン濃度を希釈・複合化し着色を軽減する[1]。 |
トルココーヒー、アラビアコーヒー、インスタントコーヒー、加糖コーヒー、ラテの比較では、加糖コーヒーとトルココーヒーが最も着色の度合いが高い結果となり、アラビアコーヒー、インスタントコーヒー、ラテは最小限の着色であり、その中でもアラビアコーヒーが最も着色が少なかった[1]。
3. 着色の除去・予防方法
3.1 ホームケア:ホワイトニング歯磨き粉
- リン酸ナトリウム(sodium hexametaphosphate)含有製品が最も高いステイン除去効果を示す(P<.001)[4]。
- 使用時のエナメル表面粗さ増加とアブレーション深度の増大が報告されているため、長期使用の際は知覚過敏に注意が必要[4]。
3.2 プロフェッショナルクリーニング
- 歯科医院でエアフローなどのパウダークリーニングにより、エナメル表面のペリクル・歯石・ステインを機械的・化学的に除去できる。半年~1年に1回の定期的クリーニングが望ましい。
3.3 ホワイトニング
- 過酸化水素やカルバミドパーオキサイドを用いた薬剤的ホワイトニングは、エナメル表面の有機物(ステイン)を分解し、光学的に白く見せる[4]。
- オフィスホワイトニング(高濃度薬剤+光照射)とホームホワイトニング(低濃度薬剤+マウスピース)を用途により使い分ける。
3.4 予防策
- ストロー使用や一気飲みで歯への接触時間を短縮
- 飲後すぐのうがい・水飲みでステインの沈着を抑制
4. まとめ
- 着色量が少ない順に、焙煎度はライトロースト>ダークロースト>ミディアムロースト
- ブラックよりカフェラテ、砂糖入りよりブラックの方が着色が少なくて良い
- 豆の種類はロブスタの方がアラビアカより着色が少なくて良い
- 着色はホワイトニング用歯磨き粉の短期使用とプロのクリーニングで落とす
極力歯を着色させずにコーヒーを飲むのなら、インスタントコーヒーのカフェラテを砂糖足さずに飲むのがいいですね。
5. 引用文献一覧
- Nada A Abdelaleem et al. Dental Staining Associated with Various Types of Coffee. J Res Med Dent Sci. 2022;10(9):254–259. Available: https://www.jrmds.in/articles/dental-staining-associated-with-various-types-of-coffee.pdf
- Y. S. Park et al. Effect of coffee roasting level on tooth discoloration. J Oral Sci. 2025;67(1):14–18. https://www.jstage.jst.go.jp/article/josnusd/67/1/67_24-0287/_html/-char/en
- Influence of coffee characteristics on tooth discoloration. Am J Dent. 2024;37(4):223–229. PubMed PMID: 39186595. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39186595/
- Kim S, Lee C-H, Ma S, Park Y-S. Whitening efficacy of toothpastes on coffee-stained teeth. Int Dent J. 2024;74(6):1233–1238. doi: 10.1016/j.identj.2024.02.006. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38614882/
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