コラム|船橋の歯医者|かわせみデンタルクリニック

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お茶と紅茶とコーヒー、どれが一番、歯が変色する?

「最近、歯の色が気になる…」「ホワイトニングって必要?」そう感じている方は多いのではないでしょうか?歯の変色は、見た目の印象を大きく左右する身近な悩みの一つです。特に、毎日飲むお茶やコーヒーは、歯の変色の原因としてよく知られています。

しかし、具体的に「なぜ」これらの飲み物が歯を黄ばませるのか、そしてどの飲み物が一番影響が大きいのか、深く考えたことはありますか?今回ご紹介する研究は、この疑問に深く切り込み、お茶やコーヒーに含まれる「ある成分」が歯の着色にどう影響するかを詳しく調べています。

お茶とコーヒーが歯の変色に与える影響

Kim, S., Son, J. E., Larnani, S., Sim, H.-Y., Yun, P.-Y., Kim, Y.-J., & Park, Y.-S. (2024). Effects of tea and coffee on tooth discoloration. Italian Journal of Food Science36(4), 64-71. DOI: https://doi.org/10.15586/ijfs.v36i4.2715

なぜこの研究が重要なのか?

これまでの研究でもお茶やコーヒーが歯を変色させることは分かっていましたが、どの化学成分が、どのように歯の変色に結びつくのかという詳しい分析は不足していました。この研究は、そのギャップを埋め、私たちが日常的に口にする飲み物と歯の健康との関係をより深く理解することを目指しています。

研究のポイント:どうやって調べたの?

この研究では、私たちの歯のエナメル質とよく似たウシのエナメル質の検体を使用しました。そして、緑茶(トワイニングガンパウダー、ピュア煎茶)、紅茶(ツインニングイングリッシュブレックファスト、アールグレイ)、コーヒー(アラビカ、ロブスタ)の様々な飲料にこれらの検体を1時間から最大72時間浸漬させました。

浸漬後、分光光度計という機械で歯の色の変化(ΔE00)を測定し、同時に高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)という分析方法で、各飲料に含まれる主要な化学成分(カテキン、テアフラビン、クロロゲン酸など)の量を詳しく調べました。驚くべきことに、たった1時間の浸漬でも、すべての飲み物で肉眼で知覚できるレベルの歯の変色が確認されたそうです(ΔE00値が0.8を超える場合、人の目には色の変化が知覚できるとされています)。

分かったこと:どの飲み物が一番歯を黄ばませる?

研究の結果、いくつかの重要な発見がありました。

すべての飲み物が歯を変色させる!

緑茶、紅茶、コーヒー、どの種類の飲料も、時間の経過とともに有意な歯の変色を引き起こすことが確認されました。

紅茶、特に「イングリッシュブレックファスト」が最も強い着色原因!

この研究で最も注目すべきは、紅茶、特にイングリッシュブレックファスト(EB)紅茶が、最も顕著な歯の変色を示したことです。しかも、その変色の進行は他の飲料よりも速かったそうです。

紅茶がこれほど着色しやすい原因は、テアフラビン」という成分にあることが明らかになりました。テアフラビンは紅茶の黄褐色を決める色素であり、歯のエナメル質の表面にあるタンパク質が豊富な層(ペリクル層)に強く結合することで、着色を強くしていると考えられています。イングリッシュブレックファスト(EB)紅茶は、アールグレイ(EG)紅茶よりもテアフラビンの含有量が多かったため、より大きな変色を引き起こしました

コーヒーの着色も侮れない!「クロロゲン酸」がポイント

コーヒーによる歯の変色は、主に「クロロゲン酸(CGA)」とメラノイジンという成分によって引き起こされます。この研究では、ロブスタよりアラビカコーヒーの方がクロロゲン酸のレベルが高く、より大きな変色を引き起こしました。また、飲料の「吸光度(色の濃さ)」だけでは歯の変色を正確に予測できないことも分かりました。

緑茶も意外な着色原因に?「カテキン」に注意

緑茶は色素が薄いイメージがありますが、この研究では緑茶も歯の変色を引き起こすことが示されました。緑茶の主要成分であるカテキン、特にエピガロカテキンガレート(EGCG)が、歯のエナメル質を着色させる可能性があります。

酸性度だけではない、複雑な着色メカニズム

飲料の酸性度も歯の変色に影響を与え、酸性の環境はエナメル質を侵食し、着色物質が付着しやすくなります。しかし、緑茶は紅茶やコーヒーよりも酸性度が低いにもかかわらず着色が見られ、さらに紅茶はコーヒーよりも酸性度が低いにもかかわらず、より強い着色を引き起こしました。これは、酸性度以外の要因も歯の変色に大きく寄与していることを示唆しています。

結論:歯の着色を避けるために私たちができること

この研究は、紅茶、特にテアフラビンが最も歯を変色させる飲料であることを明確に示しました。また、コーヒーや緑茶も同様に歯の着色に影響を与えることが分かりました。

今回の研究結果は、歯の着色を予防し、口腔の健康を促進するための戦略を考える上で非常に重要です。

  • 飲み物の選び方: 特に歯の着色が気になる方は、紅茶の摂取量に注意したり、コーヒーを選ぶ際に豆の種類を意識するのも良いかもしれません。
  • 飲み方にも工夫を: 研究では直接調べていませんが、先行研究で温かいコーヒーは冷たいコーヒーよりも着色を引き起こすことが示されています。お茶やコーヒーを飲む温度も影響する可能性があります。
  • 日々のケアを見直す: エナメル質の組成や、日々の口腔衛生習慣も影響します。低粒子サイズの歯磨き粉が着色除去に有効である可能性も示唆されていますが、低粒子=目が荒い粒ということなので歯が削れやすく、くさび状欠損や知覚過敏が起きやすくなり、常用はおすすめできません

歯の着色を完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、今回ご紹介した内容を参考に、日々の習慣を少し見直すことで、美しい笑顔を保つことができるかもしれません。