【言語】愛の歯とはどこの国の表現でしょうか?
文化による「第三大臼歯」の名前付けとその背景比較
1. 世界各国の名称と意味
2. 文化的背景の比較ポイント
- 成熟・知恵・判断力の象徴
多くのヨーロッパ・中東言語では、第三大臼歯が「知恵」「賢さ」「判断力」など、精神的な成熟を象徴する名前で呼ばれています。これは、歯が10代後半から20代前半という大人への過渡期に生えることが、人生経験や知恵の獲得と結びつけられているためです。 - 家族関係や社会的独立を反映
日本の「親知らず」は、親が子供の成長や歯の生え変わりを見届ける時期を過ぎてから生えることに由来し、家族や社会的な独立の象徴とも解釈できます。 - 感情や人生の節目に着目
韓国の「愛の歯」は、恋愛や初恋といった感情の成熟や人生の新たな段階を象徴しています。トルコの「20歳の歯」は年齢そのものを強調し、人生の節目を示します。 - 伝統医学や哲学的要素
中国語やアラビア語では、「知恵」や「心」「理性」といった伝統的な価値観や哲学的要素が名称に込められています。
親知らず・知恵の歯の語源
- 親知らず(第三大臼歯)は、10代後半から20代前半に生えてくる永久歯です。
昔の日本では平均寿命が短く、この歯が生える頃には親が亡くなっていることが多かったため、「親が知らない間に生えてくる歯」という意味で「親知らず」と呼ばれるようになったという説が有力です - 他にも、江戸時代においては15歳で成人したため、元服として髪型を変え、幼名を改名し、大人の服装を着用するなどの変化を伴いました。第二大臼歯は12歳臼歯とも呼ばれ、第三大臼歯(親知らず)以外の歯は15歳までにすべて揃っているはずで、親元を離れてから生えてきた歯ということで親知らずと呼ばれたという説もあります。江戸時代は「人生五十年」がテーマとなっていた時代(例:能『敦盛』)で、平均寿命は約30歳前後でした。
- 歯科医学用語では智歯と表現することが多く、こちらは欧米に倣って呼ばれているようです。親知らずが腫れて痛い状態のことを智歯周囲炎と言います。
3. まとめ
- 共通点
多くの文化で、第三大臼歯は「知恵」や「成熟」「判断力」などの精神的成長と結びつけて名付けられています。 - 相違点
日本や韓国のように、家族関係や感情的な側面、人生の節目を重視する文化もあり、名付けの背景にその社会観や価値観が色濃く反映されています。
このように、第三大臼歯の呼び名は、単なる身体的特徴だけでなく、その文化が持つ「大人になること」や「知恵・感情の成熟」への価値観を映し出しているようです。
関連記事|船橋の歯医者・矯正歯科|かわせみデンタルクリニック
- 【言語】学名が語る歯と生物の命名の物語:恐竜からイッカクまで
- 【言語】イッカクはたまに一角じゃないし、そもそも角じゃない
- 【言語】おっぱいの歯、なんの動物のこと?
- 【言語】インデントを揃えるのは、歯を揃えるのと同じ
- 【言語】「こうこう(口腔)」と「くし(齲歯)」のはなし
- 【言語】語源から探る 齲蝕(Caries)とは何か
- 【言語】語形成から医学用語を読み解く:PericoとApicoの違い
この記事の監修者
中村 瞬
かわせみデンタルクリニック 院長 / 歯学博士(歯科麻酔学)/ 日本歯科麻酔科学会 認定医
医療記事をほぼ毎日更新中・TV取材多数
医学的根拠(エビデンス)に基づいた正確で分かりやすい情報を患者目線でお届けしています。
かわせみデンタルクリニック
所在地:〒273-0005 千葉県船橋市本町6丁目3−20 ベルヴィル船橋本町 1階B号室
電話番号:047-409-2988
JR・東武鉄道「船橋」駅 徒歩4分
平日 9:00 ~ 13:00 14:30 ~ 18:00
土曜 9:00 ~ 13:00 14:00 ~ 17:00
(休診:日曜・月曜・祝日)

当院は、初診時にしっかりと検査を行い、歯周病・虫歯・根管治療から矯正歯科・小児矯正まで、丁寧にご説明のうえで治療を進めています。
治療後も再発予防に努め、安心して通える歯科医院をめざしています。

