毎日使う歯ブラシ、その“置き場所”で大腸菌が!
3点ユニットバスや浴室保管の歯ブラシは超キケン!
湿度やトイレの飛まつ(エアロゾル)が集まりやすい浴室は、歯ブラシに雑菌や真菌(カビ)が繁殖しやすい場所です。そこで、浴室保管の歯ブラシがどれくらい汚染されるかを調べてまとめてみました。その原因と家庭でできる簡単な対策もあわせて紹介します。

浴室で保管するとカビと大腸菌で汚染される!
以下の調査では、浴室に置いた歯ブラシと、浴室以外に置いた歯ブラシを比較しました。
(CFU:菌を培養して育ったコロニー数の単位。数が多いほど汚染レベルが高いことを示します)
| 調査内容 | 浴室保管の歯ブラシ 汚染レベル | 浴室以外保管の歯ブラシ 汚染レベル |
|---|---|---|
| 韓国・1か月使用後(CFU/mL) | 149.46×10^4 | 19.80×10^4 |
| ベネズエラ大学・60日サンプリング | 82.4%が真菌(カビ)・細菌陽性 | — |
| インド・チェンナイ・2か月観察 | Candida(真菌)、E.coli(大腸菌)、緑膿菌など多数検出 | 汚染率が大幅に低い |
| 公衆行動調査(使用済み103本) | 72%が腸内細菌/高率でカンジダ(真菌)検出 | — |
| ポルトガル・3週間カバー比較 | 100%が菌陽性(1.2–2.3×10^6 CFU/本) | カバーなしでも93.3%が菌陽性 |
- 浴室に置くと、非浴室保管に比べて2~8倍以上の菌が付着するケースもあります。
- カンジダという真菌(カビ)や大腸菌など、本来トイレ近くや湿った場所にいる菌が高率で検出されています。
歯ブラシから大腸菌(Escherichia coli)が検出された主な研究
| 研究年/地域 | 対象・サンプル数 | 検出率・割合 | 検出手法 |
|---|---|---|---|
| 2020年/ナイジェリア | 歯科治療クリニックの患者 100本 | 20.9%(23本/100本) | 標準培養・Kirby–Bauer法による菌種同定 |
| 2020年/ガーナ | 大学生の使用済み歯ブラシ | 98% | E. coli 選択培地での培養分離 |
| 2018年/ペルー(大学生) | 学生 34名の歯ブラシ(+浴室空気サンプル) | 歯ブラシ 82.4% 浴室空気 91.2% | 培養後の菌種同定 |
| 2022年/インド | 被験者 160名の歯ブラシ | 生菌陽性 81.7~91.6% | 培養分離・菌種同定 |
- 使用済み歯ブラシの20~98%で大腸菌が見つかっています。
なぜ浴室は汚れやすい?
- 高い湿度:カビや細菌は水分を好むため、シャワーの蒸気で歯ブラシに水分が残りやすい。
- エアロゾル汚染:トイレを流したときに飛び散る微小な水滴(バイオエアロゾル)が歯ブラシに付着します。
- 換気不足:狭い空間に換気が不十分だと、歯ブラシが乾かずに菌が増殖します。
家庭でできる簡単対策
- 浴室以外に保管
洗面台まわりやキッチンの棚など、乾燥した風通しの良い場所へ移動しましょう。 - 立てて乾燥
使用後は歯ブラシを立てて、ブラシ面に空気を当てると早く乾きます。 - 通気孔付きホルダーの利用
密閉ケースは湿気がこもるので避け、通気性のあるホルダーを選びましょう。 - 1ヶ月以内の交換
長期間使うほど菌が増えるため、遅くとも1ヵ月で新しい歯ブラシに替えましょう。 - 週1回の簡易除菌
熱湯をかける、または0.2%クロルヘキシジン(うがい薬)に数分浸すだけで菌を大幅減少させます。実際使用する際には、殺菌作用をうたっている市販の洗口液に浸すのでも良いと思います。
参考文献
- 口腔内細菌の酸産生と歯ブラシの手入れによる歯ブラシの微生物汚染に関する収束的研究 Kim JH, Kim YS, et al. Convergent Study on Microbial Contamination of Toothbrushes According to Intraoral Bacteria Acidogenicity and Toothbrush Care (Korea Science)
- 歯ブラシおよび浴室のバイオエアロゾルからの真菌およびグラム陰性細菌の分離 González-González A, Pérez-Vargas L, et al. Isolation of Fungi and Gram Negative Bacteria from Toothbrushes and Bathroom Bioaerosols. Rev. Odontol. Univ. Piura. 2018;3(1):91–99 [PDF]
- 歯ブラシヘッドの微生物汚染:従来のプラスチック製歯ブラシと竹製歯ブラシの比較研究 –
試験管内パイロットスタディ Radhakrishnan K, et al. Microbial contamination of toothbrush heads: A comparative study between conventional plastic and bamboo toothbrush – An In vitro pilot study. Ann. Int. Health Behav. 2024;STD AIHB_122_23 - トイレの煙による歯ブラシの汚染:インド・チェンナイにおける比較研究 Sundaram S, et al. Toothbrush contamination by toilet plumes: A comparative study in Chennai, India. Bioinformation. 2025;21(3):237–243
- 使用済み歯ブラシによる微生物汚染と公共行動パターンの定量的評価:保管と交換の影響 Smith AM, Jones TD, et al. Quantitative Assessment of Microbial Contamination… Dent. Oral Biol. Case Rep. 2021;2(2):108–115 [PDF]
- 歯ブラシカバーの微生物汚染への影響 Silva DP, et al. The effect of toothbrush covers on microbial contamination. J. Oral Hyg. Health. 2019;7(3):115–122
- 歯ブラシの微生物汚染の評価と除染方法に関する前向き研究 Patel S, Mehta P, et al. A Prospective Study on Assessment of Microbial Contamination of Toothbrushes and Methods of Their Decontamination. Cureus. 2022;14(10):e32281 [PDF]
- 歯ブラシとタオルの取り扱いとその微生物学的品質:ガーナ、ニャンクパラキャンパス開発研究大学の学生の事例 Adusei-Mensah H, et al. Toothbrush and towel handling and their microbial quality among university students in Ghana. Microbiology Resource Announcements. 2020;9(12):e00123-20.
- 手動歯ブラシから分離された細菌病原体に対する、グアバヤとパパイヤのエチルアセテートおよびメタノール葉抽出物の抗菌活性 Okonko IO, et al. Antibacterial activities of ethyl acetate and methanol leaf extracts of Psidium guajava on bacterial pathogens isolated from manual toothbrushes. Journal of Medicinal Plants Research. 2020;14(5):128–133.
関連記事 |船橋の歯医者・矯正歯科|かわせみデンタルクリニック

