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【企業】サンスターの歯科研究が示す「お口の健康と全身のつながり」

歯の本数が多いほど医療費が安くなり、定期的な歯科受診が歯の喪失を防ぐ―。サンスターが実施した大規模な調査研究から、お口の健康が全身の健康や家計にまで大きな影響を与えることが明らかになりました。災害時の口腔ケアや女性の妊娠期における歯周病対策など、日常生活の様々な場面で口腔の健康管理が重要であることを示す研究成果をご紹介します。本記事に利益相反はありません。

驚きの事実:歯の本数と医療費の関係

2022年、サンスターが約25万人の労働者を対象に行った大規模調査で、歯の本数が多く、かみ合わせが良いほど医療費が低くなるという驚きの関係が明らかになりました。この研究は日本歯科医療管理学会で優秀賞を受賞し、お口の健康と全身の健康の貴重なデータとして注目されています。

調査では、20歳から74歳の労働者の定期健康診断結果と医療機関の診療情報を分析。歯の本数の多さに加えて、上下の歯のかみ合わせ状態が良好であるほど医科医療費が少ないことが確認されました。これは、若い働く世代のうちから歯や咬合の状態を良く保つことが、口腔の健康だけでなく全身の健康維持においても重要であることを示しています。

実際に、定期的に口腔ケアを行う人は、65歳以降で年間医療費が15万円安くなるという他の調査データもあり、予防歯科への投資が長期的な医療費削減につながることが実証されています。

定期歯科受診の効果を実証

2023年、サンスターと株式会社ミナケアによる共同研究では、口の健康管理のための歯科受診(管理受診)が歯の喪失の抑制と関連することが明らかになりました。

この研究では、約70万人の定期健診受診者のうち233,555人を対象に、歯科受診内容と歯の本数の関連を分析。その結果、40代以降のすべての年代において、単に治療のみを受けた人と比べて、治療と管理の両方を受けた人、管理受診のみの人の方が有意に歯の本数が多いことが判明しました。

具体的には、治療受診のみの人と比べて:

  • 治療・管理両方受診者:40代で0.1本、50代で0.6本、60代で1.8本、70代で3.1本多い
  • 管理受診のみ:40代で0.3本、50代で1.1本、60代で2.8本、70代で4.5本多い

この結果から、痛みなどの不具合が発生した時にだけ歯科治療を受けるのではなく、歯科専門家の判断に基づく予防管理を受けることが、歯の喪失を防ぐために重要であることが分かります。

災害時にも重要な口腔ケア

2023年、関東大震災から100年の節目を迎え、サンスターは災害時の口腔ケアの重要性について情報発信を行いました。

阪神・淡路大震災では、震災から逃れることができたにも関わらず、避難生活中の肺炎で200人以上の方々が亡くなりました。繁殖した細菌が誤って気管に入ることで起こる誤嚥性肺炎も多かったと考えられています。

サンスターでは「防災にオーラルケア」を掲げ、災害時のオーラルケアに関する情報を継続して発信。災害時には食料や水、毛布などの必需品が優先されがちですが、全身への入り口であるお口のケアも、身体の健康を保つためには欠かせないことを啓発しています。

特に野菜ジュースで初めて「日本災害食」認定を取得したサンスター「健康道場」ブランドの野菜ジュースを活用した防災レシピなど、実践的な情報も提供しています。

妊娠期の口腔ケアの重要性

2023年の「女性の健康週間」に合わせて実施された調査では、出産経験者の約4割が「むし歯治療・歯周病予防」を妊娠前から実施しなかったことを後悔していることが明らかになりました。

調査結果のポイント:

認知度の課題

  • 妊娠中・出産経験者で妊娠前からの予防の重要性を知っていた人:66%
  • 出産経験のない人:51%
  • 「妊娠により歯肉炎になりやすい」ことを知っている人:63%

実践との乖離

  • 妊娠前から実際に予防を実施した人:約49%(半数近くが予防していない)
  • 妊娠前から予防せずに後悔した人:約37%
  • 口腔環境の変化を感じた人では:55%が後悔

妊娠中の困りごと

  • つわりでの困りごととして「歯みがき」が「食事」「睡眠不足」に次いで多い
  • 妊娠中に歯科健診や歯科医に通院しなかった人:50%
  • 妊娠中・出産後に口腔状態の変化を感じた人:約43%

妊娠中はエストロゲンという女性ホルモンの分泌が増えることで歯周病の原因菌が増殖しやすくなり、つわりなどの影響で口腔環境が悪化しやすくなります。そのため、妊娠前からの日常的なむし歯予防・歯周病予防と、妊娠中期の歯科健診が重要です。

生活習慣と歯の健康の関係

同じく2023年の研究では、喫煙と糖尿病が歯の本数に与える影響も明らかになりました:

喫煙の影響

  • 30代以降すべての年代で非喫煙者より歯の本数が少ない
  • 年齢が高くなるほどその差が拡大
  • 非喫煙者と比べて:30代で0.2本、40代で0.5本、50代で1.4本、60代で2.1本、70代で2.4本少ない

糖尿病の影響

  • 30代以降すべての年代で血糖コントロールが良い人より歯の本数が少ない
  • HbA1c6.0%未満の人と比べて:

6.0-6.9%の人:30代で0.2本、40代で0.3本、50代で0.5本、60代で0.5本、70代で0.7本少ない

7.0%以上の人:30代で0.5本、40代で0.7本、50代で1.2本、60代で1.4本、70代で1.1本少ない

継続的な歯間清掃の効果

2025年に発表された最新研究では、歯間清掃具の使用年数が長いほど歯の喪失リスクが低下することが明らかになりました。サンスター従業員845人の5年分の歯科健康診断データを分析した結果:

  • 健常群:デンタルフロスを4~5年使用した人は0~1年使用者に比べて歯の喪失リスクが0.42倍
  • 歯周炎群:歯間ブラシを4~5年使用した人は0~1年使用者に比べて歯の喪失リスクが0.38倍

この研究は、歯間清掃具の長期的な使用が歯の喪失リスクに与える影響を明確に示した数少ない調査の一つであり、継続的な歯間清掃の重要性を科学的に実証しています。

サンスター公式サイト掲載の研究発表のまとめ

以下では、「Mouth & Body」と「Mouth & Body Care」に分け、代表的なテーマを解説します。

Mouth & Body(口腔と全身の相互作用)

日付タイトル・会議/誌名主な内容
2019.5.24ビタミン類がヒト歯肉に対する透過性および効果の検討(第62回春季日本歯周病学会)歯肉へのビタミン浸透性を解析し、抗炎症・修復効果を評価。
2018.9.15-17ナノテクノロジーを用いた歯周病治療材料の開発(日本歯周病学会)ナノ粒子による薬剤送達システムの可能性を検証。
2016.9.11金属加工技術によるインプラント表面改質の基礎研究(国際インプラント学会)表面粗造化加工が骨結合促進に与える影響を実験的に評価。

解説
これらの研究は、ビタミンやナノ素材、金属加工といった多分野の技術を歯周病やインプラント周囲組織の健康に応用し、炎症抑制や組織再生を目指すものです。全身の健康との関連にも着目し、口腔ケアの高度化に貢献しています。

Mouth & Body Care(口腔ケア用品・方法の評価)

年度タイトル・会議/誌名主な内容
2020.6.5新型歯ブラシ毛材の耐久性評価(日本口腔ケア学会)高分子化学を活用したブラシ毛の耐摩耗性・清掃効果を比較測定。
2018/9-2019/5歯間ブラシ使用時の微細構造解析(国際口腔清掃研究会)微細構造設計がプラーク除去効率に及ぼす影響を走査電子顕微鏡で観察。
2017.10.27バイオプロバイオティクス含有洗口剤の臨床試験(日本口腔衛生学会)口腔内フローラ改善を目的としたプロバイオティクス効果を臨床評価。

解説
口腔ケア用品の素材や形状、洗口剤成分などを科学的に解析し、性能向上を図る研究です。ブラシ毛や歯間ブラシの構造最適化、プロバイオティクスへの応用など、日常使い製品のエビデンス構築に注力しています。

まとめ

これらの研究結果は、サンスターが掲げる「100年mouth 100年health」の重要性を科学的に裏付けています。お口の健康を起点とした全身の健康管理は、単なる理想論ではなく、医療費削減や生活の質向上につながる実践的な健康戦略であることが明らかになりました。

毎日の歯みがきや歯間清掃、定期的な歯科健診といった基本的な口腔ケアを継続することで、歯の喪失を防ぎ、全身の健康を維持し、結果として医療費の節約にもつながります。人生100年時代を健康に過ごすために、今日から始められる口腔ケアの習慣化が重要です。

参考文献 | Sunstar Group

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