カロリーゼロ・シュガーフリー飲料の熱中症予防・対策における問題点
熱中症対策にスポーツドリンクはダメ!という話を前回取り上げました。
では、虫歯のリスクはないですよね?と思う方もいるかもしれません。実際のところ、ゼロカロリー、シュガーフリーな飲み物はどうでしょうか。

熱中症予防・対策としての問題点
- 腸管吸収メカニズムの不全
カロリーゼロ飲料は糖質を含まないため、腸管のナトリウム–グルコース共輸送体が働かず、水分吸収が効率的に進まない。ただの水でも糖質を含まないのは同じなので特に良くなるわけではない、ということです。 - 低ナトリウム血症リスクの増大
糖質ゼロ飲料はナトリウム濃度も低めのものが多く、予防的に大量飲用すると血中ナトリウムが希釈され、運動中や連続飲用時に低ナトリウム血症を招く危険がある。 - エネルギー補給不足
長時間活動での持久力維持には速やかなグルコース供給が重要。カロリーゼロ飲料は糖質がほぼゼロのため、エネルギー源として機能せず、疲労やパフォーマンス低下を引き起こす可能性がある。ただし、これはただの水を飲んだ場合でも同様。(疲労やパフォーマンス低下については スポーツドリンクの科学的知見 を参照) - 人工甘味料による胃腸症状
スクラロースやアセスルファムKなどの甘味料は、腹痛・下痢を誘発しやすい。熱中症予防として頻回に飲用すると継続摂取に支障をきたすリスクがある。 - 誤解を招く表示
「カロリーゼロ」「シュガーフリー」との表記が健康的な水分補給と誤解されやすく、水や適切な経口補水液の代替として用いられがち。だが熱中症予防には、一定以上の糖と塩分バランスが必要である。 - 甘味に慣れることで常に甘いものを求めるようになる
結論
- 熱中症対策にスポーツドリンクはダメ
- シュガーフリー・ゼロカロリーもダメ
- 熱中症の初期症状には経口補水液
- 熱中症の予防にはスポーツドリンクも経口補水液も不要
参考文献
- ナトリウム摂取と低ナトリウム血症:スポーツドリンクは運動中の血清ナトリウム濃度の低下を防げない / Dugas J. Sodium ingestion and hyponatraemia: sports drinks do not prevent a fall in serum sodium concentration during exercise. BMJ. 2006;332(7548):130–131. PMC2577547.
- 全米アスレチックトレーナー協会の見解:身体活動量の多い人のための水分補給 / National Athletic Trainers’ Association. Position Statement: Fluid Replacement for the Physically Active. J Athl Train. 2017;52(9):877–895.
- 運動後の水分補給:市販の経口補水液3種類の有効性の比較 / Jones GN et al. Post-exercise rehydration: Comparing the efficacy of three commercial oral rehydration solutions. Front Sports Act Living. 2023;5:1158167.
- 健康的な行動とスポーツドリンク:系統的レビュー / Rodgers GP. Healthy Behavior and Sports Drinks: A Systematic Review. Am J Prev Med. 2023;64(1):e1–e12. PMC10346316.
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