哺乳瓶で「飲み切る」よう促すと将来の食べ方に影響する?
赤ちゃんに対して、つい「全部飲み切ってほしい」と哺乳瓶を持って飲ませていませんか?子どもの成長や健康づくりのためには、実はこの“完飲”の促し方が将来の食べ方にまで影響を及ぼす可能性があります。乳児期のフィーディングスタイルから、6歳時の食行動を調べた研究結果をもとに、わかりやすくご紹介します。
哺乳瓶で「残さず飲む」ってどういうこと?
哺乳瓶でミルクをあげるとき、ママやパパは「ミルクがまだあるよ」「もっと飲んでごらん」と声をかけることがあります。このとき赤ちゃんは、自分の「もうお腹いっぱい」というサインよりも、周囲の声かけに合わせて飲むことを覚えがちに。
一方、母乳を直接授乳していると「おっぱいを離す=おなかいっぱい」「また口元に来る=もっと欲しい」という赤ちゃんのサインに、ママ自身が自然と合わせやすいと言われます。
6歳になった子どもたちの違い
実際に、研究者たちは乳児期の授乳方法を以下の3グループに分け、6歳時の食行動を比較しました。
- 直接母乳を飲むグループ
- 哺乳瓶で母乳を飲むグループ
- 哺乳瓶で粉ミルクを飲むグループ
その結果、哺乳瓶で飲ませられていた子ども(2と3)は、6歳になってから
- お腹がいっぱいになっても「もう十分」「これ以上はいらない」という満腹サインに気づきにくい
- お皿のおかずを「残したくない」と最後まで食べ切ろうとする
という傾向が強いことがわかりました。
なぜ「満腹サイン」が大切?
わたしたちには本来、自分の空腹や満腹を感じ取る仕組みがあります。お腹が減ったら自然に食べたくなり、満腹になれば食欲が落ち着きます。この感覚を「満腹感への反応」と呼び、子どもの健康的な食習慣を育むうえで非常に重要です。
しかし、哺乳瓶で「全部飲む」ことを繰り返すと、
- 自分のお腹の声よりも「飲み切ること」に意識が向きやすくなる
- 満腹かどうかを判断しづらくなる
…という悪循環が生まれ、将来的に過食や肥満リスクにつながる可能性も指摘されています。
乳児期からできる「レスポンシブ・フィーディング」
「レスポンシブ・フィーディング」とは、赤ちゃんのサイン(お口を閉じる、手を離すなど)に敏感に反応し、その子自身のペースで授乳を進める方法です。具体的には、
- ミルクが減っても赤ちゃんが口を閉じたら、無理に哺乳瓶を傾けない
- 赤ちゃんが口を開ける、手を伸ばすなどの「もっと欲しいサイン」が出たときに飲ませる
- 「まだ飲む?」と赤ちゃんの顔色や動きをよく観察しながら声をかける
といった対応を心がけます。
このように、乳児期から心地よく食べる/飲む体験を積み重ねることで、将来、自分の満腹感を大切にしながら食事を楽しむ子どもに育てられるでしょう。
まとめ
哺乳瓶での授乳時に「完飲」を強調せず、赤ちゃん自身のお腹の声を尊重することが、6歳以降の健康的な食行動を育む鍵になります。今日からぜひ、赤ちゃんのサインにもっと耳を傾けてみてくださいね。
引用文献
- Bottle-Feeding Practices During Early Infancy and Eating Behaviors at 6 Years of Age Pediatrics. (乳児期初期の哺乳瓶授乳習慣と6歳児の摂食行動)2014;134(Suppl_1):S70.
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