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「無歯科医地区」が多い都道府県ランキング【2022年】

各調査とも、歯科医療機関のない地域のうち、概ね半径4km以内に50人以上の居住者がおり、かつ容易に歯科医療を利用できない地区を「無歯科医地区」として集計しています。

以下は、令和4年度調査における都道府県別「無歯科医地区数」を多い順に並べた上位10県です。

順位都道府県無歯科医地区数(令和4年度)
1広島県49地区
1大分県49地区
3高知県44地区
4岡山県41地区
5岩手県40地区
6島根県36地区
7鹿児島県35地区
8愛媛県24地区
9静岡県23地区
10福岡県22地区

全国の無歯科医地区等調査:主要指標の推移(直近5回)

以下は、平成16年度から令和4年度まで直近5回分の「無歯科医地区数」と「無歯科医地区人口」の推移です。

調査年度無歯科医地区数無歯科医地区人口
平成16年度1,046地区295,480人
平成21年度930地区236,527人
平成26年度858地区206,109人
令和元年度775地区177,176人
令和4年度784地区188,647人

無歯科医地区の定義

「無歯科医地区」とは、概ね半径4km以内に50人以上の居住者がおり、かつ容易に歯科医療を利用できない地区と定義されています。この調査は、厚生労働省が定期的に実施しているものです。

無歯科医地区数の変化と傾向

長期的な減少傾向からの反転: 平成16年度から令和元年度にかけて、無歯科医地区数は1,046地区から775地区へと大幅に減少してきました。これは、医師・歯科医師のへき地配置促進策や診療所開設支援、交通網整備などが一定の成果を上げたことを示唆しています。

• しかし、令和元年度調査(令和元年10月末)の775地区から、令和4年度調査(令和4年10月末)では784地区と、7地区増加に転じました。これは、令和元年度まで続いていた減少傾向が初めて増加に転じたことを示しています。

都道府県別の変化

増加が顕著な都道府県: 令和元年度から令和4年度にかけて、特に岩手県が23地区から40地区へと17地区の大幅増を記録し、増加率は173.9%と全国最多の伸びを示しました。その他、静岡県(21→23地区)、高知県(35→44地区)、福岡県(18→22地区)などでも地区数が増加しています。

減少した都道府県: 一方で、北海道(74→63地区)、秋田県(11→7地区)、奈良県(22→14地区)などでは地区数が大きく減少しました。

無歯科医地区人口の変化

• 無歯科医地区に居住する人口も、令和元年度の177,176人から令和4年度の188,647人へと、11,471人増加しています。増加率は約105.7%に達し、地区数の増加と整合性を見せています。

人口増加が顕著な都道府県: 地域別の人口変化では、岩手県が3,917人増加(約192.4%)、新潟県が2,627人増加(約178.3%)、岐阜県が3,579人増加(約240.6%)と、大幅な増加が見られます。これはへき地地域の高齢化や歯科医院撤退による影響の大きさがうかがえます。

人口減少が見られる都道府県: 愛知県(4,255→4,011人)、三重県(1,109→994人)、広島県(9,622→8,091人)などでは人口が減少しています。

考察と今後の課題

増加の背景: 新たな無歯科医地区の増加は、過疎地域の歯科医院維持が困難になっていることが主な原因と推察されています。特に、岩手、新潟、岐阜などの大幅増加地域では、地域内交通手段の衰退や診療所開設へのインセンティブ低下が要因と考えられています。また、へき地地域の高齢化による医療需要の増加や、公共交通機関の廃止・縮小による歯科医療へのアクセス悪化も、人口増加の要因として挙げられます。

政策的対応の必要性: 令和4年度調査で見られた増加傾向は、日本全体の少子高齢化・過疎化問題と密接に関連しており、従来の単発的な支援では限界があることが示唆されています。今後は、多角的なアプローチによる持続可能な地域歯科医療体制の構築が急務とされています。

具体的な対応策:

  • 地域医療連携の強化: 近隣自治体や医師会と連携し、移動診療や巡回歯科診療を拡充すること。
  • インセンティブの再設計: 過疎地や高齢化が著しい地域への開業支援や給与補助を見直すこと。
  • 交通アクセスの改善: 住民が半径4km圏外の歯科医院へ通いやすいよう、公共交通機関の利便性を確保すること。
  • テレデンティストリー(遠隔歯科診療)の導入: ICTを活用した遠隔診療に保険適用を拡大し、初期診断・健康指導をオンラインで行う体制を整備すること。

継続的なモニタリングと評価: 無歯科医地区の再増加を防ぎ、既存地区の解消を加速させるためには、定期的なデータ収集と自治体単位の課題分析を継続し、効果検証と施策改善を行うPDCAサイクルの徹底が求められます。減少が見られた都道府県では行政支援や地域連携の成果がうかがえるため、これらの成功事例を全国に水平展開し、再増加県への適用が喫緊の課題とされています。


参考文献

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