塩タブレットの正体は「砂糖の塊」、1粒で角砂糖1個分!
要旨
- 塩タブレットは砂糖の塊でむし歯のリスクあり
- 日本人は塩分摂取過多なので通常の食事で塩分量は十分に足りている
- 熱中症対策で必要なのは身体を冷やすこと
熱中症対策の塩タブレット摂取に潜む危険性:正しい知識で夏を乗り切ろう
夏の暑さが厳しくなると、ドラッグストアの店頭には塩タブレットや塩飴などの熱中症対策商品が並びます。「熱中症予防のために汗をかいたら塩分補給を」というフレーズもよく聞かれますが、実は塩分補給の過度な推奨に警鐘が鳴らされています。
塩タブレットとスポーツドリンクはほぼ同じ
市販のスポーツドリンクや塩タブレットには、飲みやすさ、舐めやすさを向上させるために多量の砂糖が添加されています。この糖分が口腔内の健康に深刻な影響を与えます。
各社の説明を見ると、ブドウ糖には水分吸収を促進する働きがあり、ブドウ糖と塩分に含まれるナトリウムを一緒に摂ると、腸内での水分と電解質の吸収スピードが上がるためブドウ糖を添加しているようです。つまり、水と一緒に塩タブレットを摂取することは、結果的にスポーツドリンクを飲んでいるのとほぼ同じことをになります。そして、そのスポーツドリンクもそもそも熱中症対策に適していません。
スポーツドリンクの例を見ると、500mlの中には約30gの砂糖(スティックシュガー10本分)が含まれており、これは世界保健機関(WHO)が推奨する1日の糖分摂取量25gを大幅に上回る量です。塩タブレットも同様に高い糖分を含有している製品が多く存在します。
1粒で角砂糖1個分の糖質を摂取
今回調査した8商品の平均糖質含有率は、なんと93.5%。つまり、塩タブレット1粒のうち9割以上が糖分でした。加えて、1粒あたりの糖質量が平均3.4gという結果でした。これは角砂糖1個分(約3-4g)に相当します。シュガースティック換算でも1本分です。つまり、塩タブレットを1粒食べるたびに、角砂糖をそのまま口に入れているのと変わらないことになります。
主要製品の糖分含有量一覧表
| ブランド | 商品名 | タイプ | 1粒重量(g) | 1粒あたり糖質量(g) | 糖質含有率(%) | 主要原材料 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| カバヤ食品 | 塩分チャージタブレッツ(スポーツドリンク味) | タブレット | 3.0 | 2.75 | 91.7% | 砂糖、ブドウ糖、水飴 |
| カバヤ食品 | 塩分チャージタブレッツ(塩レモン味) | タブレット | 3.0 | 2.74 | 91.3% | 砂糖、ブドウ糖、水飴 |
| ブルボン | ミネラル塩飴 | 飴 | 4.6 | 4.30 | 93.5% | 砂糖、水飴 |
| 森永製菓 | inタブレット塩分プラス | タブレット | 3.0 | 2.60 | 86.7% | ブドウ糖 |
| サクマ製菓 | 炎天夏塩飴 | 飴 | 3.5 | 3.30 | 94.3% | 砂糖、水飴 |
| 加藤製菓 | 塩あめ | 飴 | 4.0 | 3.90 | 97.5% | 砂糖、水飴 |
| サラヤ | 匠の塩飴 | 飴 | 5.0 | 4.80 | 96.0% | 砂糖、水飴 |
少し古いですが、こんなデータもあります。
【第三者検査機関】
- 塩分量に銘柄差あり – ~塩あめの成分 2014/04/01
- URL:https://www.do-syouhi-c.jp/test/kitakura461shioame.pdf
- 北海道立消費生活センターによる独立成分分析結果


塩あめ1粒あたりの塩分量は各社様々なことが分かります。そして、基本的に熱中症対策に塩タブレットは必要ないことが分かっています。むしろ、不適切な塩タブレットの利用は熱中症のリスクを逆に高める研究結果もあります。
塩分補給が必要な状況と専門医の警告
幼児は特別な対応が必要
幼児(小学校入学前の子ども)は、年齢的に大人に比べて体温調節がまだうまくできない時期で、汗をかきにくいという特徴があります。そのため体内の塩分が外に出にくく、わざわざタブレットで補給する必要はありません。子どもの場合は、15分ごとに水を8口飲ませることが推奨されています。
まとめ:賢明な熱中症対策のために
塩タブレットは確かに特定の状況では有用ですが、その使用には慎重さが求められます。高濃度の糖分による虫歯リスク、不適切な摂取による血圧上昇のリスク、そして多くの場合で実際には必要がないという専門医の見解を考慮すべきです。
熱中症対策の基本は、まず「こまめな水分補給」です。それに加えて適切な環境整備、定期的な休憩、バランスの取れた食事を組み合わせることで、安全で効果的な熱中症予防が可能になります。特に虫歯リスクを避けるためには、糖分を多く含む製品の摂取後は速やかに水でうがいを行い、就寝前の使用は避けるなどの工夫も重要です。
正しい知識に基づいて、この夏を健康的に乗り切りましょう。
参考文献
- Inappropriate timing of salt intake increases the risk of heat-related illness: An observational study(不適切なタイミングでの塩分摂取は熱中症リスクを増加させる:観察研究)
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0296388 - 熱中症対策は消防隊員に学べ!? オリンピックでも注目の「アイススラリー」
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/lifestyle/entry/2019/020088.html - 消防活動における熱中症予防対策の研究
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/content/safetyreport/000006938.pdf - 夏の日常生活における水分と塩分の摂取について:熱中症予防と高血圧
https://www.jpnsh.jp/general_salt_01.html - 専門家が警告!暑い日の「塩分補給」に潜むリスク 熱中症対策でまず必要なのは水分なのになぜ?
https://toyokeizai.net/articles/-/444333 - 高温又は常温環境で模擬活動する消防隊員の生理指標へのアイススラリー摂取効果
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kasai/70/2/70_35/_pdf - 東京消防庁技術安全所の熱中症対策
https://jrescue.net/special/tokyo-heat-adaptation/
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