乳児期の唾液接触と学齢期のアレルギー発症リスクとの関連性が明らかに|和歌山県立医科大学
和歌山県立医科大学より、生後12ヶ月未満の乳幼児期に親の唾液に接触していた子どもの方が、学齢期(6~15歳)の発症リスクが抑えられる可能性があるという発表がありました。
乳児期の唾液接触と学齢期のアレルギー発症リスクとの関連性を明らかに|和歌山県立医科大学 [2023/05/24]
こちらの結果をまとめると
唾液洗浄のおしゃぶりを与えられていた子どもの場合
- アトピー性皮膚炎を発症するリスクは65%低下
- アレルギー性鼻炎は67%低下
- 喘息については明確な関連性は見られなかったが、発症リスク低下の可能性について推測できた
食器共用の場合
- アトピー性皮膚炎の発症リスクを48%低下
とのことです。
子どもの食器の共有については食器の共有に気をつけていても子どものう蝕に差はなかったとして、日本口腔衛生学会から情報発信がありましたし、積極的に食器を分ける理由はなさそうですね。
論文の背景に記載されていた先行研究については下記にリンクを貼りました。
2013年のスウェーデンにおけるHesselmarらの出生コホート研究:親の唾液で洗浄したおしゃぶりの使用により生後18ヶ月の湿疹や喘息発症リスクと生後36ヶ月の湿疹発症リスクが有意に低下した – Pacifier Cleaning Practices and Risk of Allergy Development | Pediatrics | American Academy of Pediatrics
2015年の久保,吉澤の研究:乳児期に噛み与え(食物を噛んで柔らかくして与えること)を行うことで、学童期のアレルギー発症リスク、特に湿疹の発症リスクが低下する可能性 – Saliva contact during infancy and allergy development in school-age children – Journal of Allergy and Clinical Immunology: Global