口内炎にハチミツは効くのか
ハチミツは咳に効く(1ことが分かっていますが口内炎にも効くという話を見かけたので論文を探してみました。
再発性軽度アフタ性潰瘍の治療における局所コルチコステロイドと比較したハチミツの有効性(2
被験者94名、180名に軽度の再発性アフタ性潰瘍 患者は蜂蜜を1日4回、5日間塗布 潰瘍は蜂蜜、局所コルチコステロイド、および Orabase(局所麻酔薬:ベンゾカイン軟膏) 治療の場合、潰瘍の大きさ、痛みの日数、紅斑の程度の減少に関して、蜂蜜グループと他の 2 グループの間には統計的に有意な差があった。
⇨ステロイド軟膏は歯科でも口内炎に対して処方されますし、市販薬としても売られていたりします。それより有効とのことなので期待できそうな論文ですが、1日4回5日間塗布というのは現実的ではない気がしますね。
蜂蜜は子供の単純ヘルペス歯肉口内炎に効果がある(3
2 ~ 8 歳の子供 100 人を対象。原発性ヘルペス性歯肉口内炎の小児において、蜂蜜と経口アシクロビルを併用すると、アシクロビル単独よりも好ましい結果が得られ、ヘルペス性口腔病変の消失が著しく早かった。中央値は 3 日、対照群は 6 日。摂食困難は3 日 vs 8 日。
⇨ ヘルペスウイルスに対して抗ウイルス薬であるアシクロビルと併用した場合の研究ですが、症状改善までの期間が著しく短くなっているので効果が期待できそうです。
再発性アフタ性口内炎に対する局所介入の有効性(4
72の研究 (n=5,272) から、この中にハチミツ有効性が良好なことが示された
⇨様々な方法が有効ですが、ハチミツも有効な方法のひとつとして挙げられています。
歯学部学生における再発性アフタ性口内炎の有病率: 横断研究(5
再発性アフタ性口内炎 (RAS) 発作の最も一般的な誘因はストレスであると報告され (53%)、最も一般的に影響を受ける部位は口唇粘膜と頬粘膜でした。報告された治療法には、局所麻酔薬、蜂蜜、および/または温塩水ですすぐことでした。しかし、ほとんどの参加者は一時的な症状の軽減以外には治療による利益はないと報告。
⇨ 実際にハチミツで口内炎を治そうと試みた歯学部生がどれぐらいいたのか、どれぐらいの頻度でハチミツを塗っていたのか分かりませんが、症状の軽減はするものの口内炎の消失期間が短縮するなどの効果はなかったようです。
人間の健康に対するハチミツの影響に関する包括的なレビュー(6
48件の研究(n=3,655)から、ハチミツは粘膜の炎症・子どもの咳・創傷治癒などに対して有益な効果が示されている
⇨ここでいう粘膜の炎症は頭頸部癌における放射線治療による火傷に対してのものを示していることが多いようです。
ちなみに、蜂蜜は医師が処方できます。

添付文書にもこうあります。
- 効能又は効果
矯味の目的で、または丸剤の結合剤、栄養剤として調剤に用いる。また、皮膚・粘膜の保護剤として用いる。
添付文書を見る限りでは咳止めとしての効能は書かれていませんでした。逆に、口腔粘膜の保護剤として処方しても大丈夫そうな雰囲気はありますが、歯科医師がハチミツを処方するのは見たことも聞いたこともないですね。かかりつけの歯医者さんにハチミツを処方してくれと頼んでも困らせるだけなのでやめておきましょう。帰りにスーパーで買ったほうが早いです。
まとめ
研究法によって様々ではありますが、症状軽減には実感できるほどの効果があり、高頻度に塗布すれば症状軽減だけではなく治癒期間の短縮も見込めるかも、といったところでしょうか。
つらい口内炎、2週間経っても治らない場合は口内炎ではない別の病気の可能性もあります。粘膜の病気を見る口腔外科もありますので、なかなか治らないな、少しでも早く治したいな、などありましたらお気軽にお電話やご予約ください。
引用論文
- Honey for acute cough in children Cochrane Database Syst Rev. 2018 Apr 10;4(4). PMID: 29633783
- Efficacy of honey in comparison to topical corticosteroid for treatment of recurrent minor aphthous ulceration: a randomized, blind, controlled, parallel, double-center clinical trial – 2014 Sep;45(8):691-701 .PMID: 25019115
- Honey can help in herpes simplex gingivostomatitis in children: Prospective randomized double blind placebo controlled clinical trial – Am J Otolaryngol. 2018 Nov-Dec;39(6):759-763. Epub 2018 Sep 12. PMID: 30227969
- Efficacy of Topical Intervention for Recurrent Aphthous Stomatitis: A Network Meta-Analysis – Medicina (Kaunas). 2022 Jun 7;58(6):771. PMID: 35744034
- Prevalence of Recurrent Aphthous Stomatitis among Dental Students: A Cross Sectional Study – J Contemp Dent Pract – . 2019 Aug 1;20(8):893-895.PMID: 31797843
- A Comprehensive Review of the Effect of Honey on Human Health – Nutrients.15(13):3056,(2023) PMID:37447382
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