歯科でレントゲンを撮影する理由 -親知らずを放置すると見えないところで手前の歯が虫歯に-
歯科でレントゲンを撮影する理由は何でしょうか
簡単に言えば、それでしかわからないことがあるからです。
いきなりですが実際の写真を見てみましょう。
この写真では奥の横に生えた親知らずが黒くなっています。手前の金の詰め物の歯は外側が少し黒くなってるところもありますが、歯の形はしっかり残ってるように見えます。
手前の歯はちょっと歯が黒くなってきただけなので様子見でもいいかな、そう考えられる方もいらっしゃるかもしれません。
レントゲンを撮影したところ、金属の下にぼっこりと黒く丸い穴が空いてしまっています。歯の頭の部分が半分ほど虫歯になっています。
外側を少し削ってみたところ、レントゲンで見えている穴が見えました。中は空洞です。
親知らずと手前の歯の間に物が詰まるようになって知らず知らずのうちに虫歯が進行していました。
1枚目の写真を見ただけで、3枚目の写真のように穴が開いていると分かる人はいないと思います。
歯科でレントゲンを撮影する理由は、目に見えない部分の歯や顎の状態を確認するためです。レントゲンはX線を使用することで歯や骨などの硬い組織を白く、歯茎や歯の神経、虫歯となった柔らかい歯の組織を黒く映し出します。このようにして、レントゲン画像から以下のようなことがわかります。
レントゲンで分かること
- 虫歯の有無や進行度
- 根管治療の必要性や効果
- 埋伏歯や先天性欠如歯の有無
- 親知らずの位置や形態
- インプラント周囲の骨の状態
- 顎関節の変形や副鼻腔の炎症
レントゲン撮影をするタイミング
- 初診時
- 定期検診
- 歯の生え変わりの時期
- 歯周病治療の検査時
- 歯の根の形態や膿のたまり具合、歯の根の治療が終わった時
- 親知らずの形と生えている位置関係を知りたい時
- インプラント治療の前後
まとめ
歯科では、デンタルレントゲン、パノラマレントゲン、歯科用CTなどの種類があります。それぞれに適した範囲や目的があります。フィルム撮影が主流だった一昔前とは異なり、今はデジタルでの現像が可能となったため放射線量が非常に少なくなり、安全性がより高くなっています。
歯科の診察でどれぐらい被ばくするのかについて気になる方は別の記事で詳しく書いておりますのでこちらを御覧ください。
親知らずがあってもなくても、1-2年に1度はレントゲンを撮影することをオススメします。検診・予防歯科に興味がありましたらご連絡ください。