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マンジャロも要注意!口臭・虫歯・味覚変化リスク – オゼンピックティースはなぜ起こる?

最終更新:2026/6/2

「オゼンピック・ティース」「オゼンピック舌」とは何か、なぜ起きるのかを歯科医が解説。GLP-1薬(オゼンピックやマンジャロなど)を使用中の歯・味覚トラブルの原因と予防法をわかりやすくまとめました。

目次

  1. はじめに:オゼンピック顔・お尻・胸・唇とは?
  2. 日本でのオゼンピック・リベルサス・マンジャロの位置づけ
  3. 「オゼンピック・フェイス/お尻/胸/唇」はなぜ起こる?
  4. 「オゼンピック・ティース」とは?歯に何が起きているのか
  5. 「オゼンピック舌」とは?GLP-1薬と味覚の関係
  6. マンジャロでも同じようなことは起こる?
  7. 歯科医が勧めるチェックリストとセルフケア
  8. ダイエットと口・顔の健康を両立させるために

1. はじめに:オゼンピック顔・お尻・胸・唇とは?

オゼンピック(セマグルチド)は食欲を抑え、血糖値を下げる効果があり、2型糖尿病治療薬として用いられています。吐き気などの副作用が主なリスクで、医師の処方と指導が必須な薬です。 

そんなオゼンピック(セマグルチド)などのGLP-1系の薬が広く使われるようになり、SNSやメディアでは

  • 「オゼンピック・フェイス(オゼンピック顔)」
  • 「オゼンピックのお尻」
  • 「オゼンピックの胸」
  • 「オゼンピックの唇」

といった言葉が出てきています。これは、薬そのものが顔やお尻を溶かしているわけではなく、急激な体重減少によって脂肪が落ち、皮膚やボリュームが一気にしぼんで見える現象を指す俗称です。

同じように、歯や味覚に起こる変化を指して

  • オゼンピック・ティース(歯がボロボロになる)
  • オゼンピック舌(味覚が変わる)

という言葉も広まっています。
この記事では、これらの現象を「見た目(顔・お尻・胸・唇)」と「お口の状態(歯・口臭・味覚)」の両方から整理し、オゼンピック/リベルサス/マンジャロを使う方が何に気をつければよいかをわかりやすく解説します。

2. 日本でのオゼンピック・リベルサス・マンジャロの位置づけ

共通する基本的な立ち位置

オゼンピック、リベルサス、マンジャロは、いずれも日本では「2型糖尿病治療薬」として承認されている薬です。
肥満症・美容目的のダイエット単独での使用は、現時点で日本での正式な承認適応には含まれていません。

項目オゼンピックリベルサスマンジャロ
有効成分セマグルチド(注射)セマグルチド(飲み薬)チルゼパチド(注射)
作用GLP-1受容体作動薬GLP-1受容体作動薬GLP-1 + GIP 二重作動薬
日本での承認適応2型糖尿病2型糖尿病2型糖尿病
投与方法週1回 皮下注射毎日1回 経口週1回 皮下注射
  • オゼンピック:体重減少効果も大きく、「肥満を伴う2型糖尿病」でよく使われる
  • リベルサス:世界初の経口GLP-1薬として、注射が苦手な人の選択肢
  • マンジャロ:GLP-1+GIPの二重作動で、HbA1cも体重も大きく下げる新しい薬

いずれも「痩せ薬」として自由診療で使われるケースが目立ちますが、公的にはあくまで糖尿病治療薬というのが日本での公式の立ち位置です。

3. 「オゼンピック・フェイス/お尻/胸/唇」はなぜ起こる?

3-1. 急激な体重減少で「皮が余る」

GLP-1薬は、食欲を抑え、胃の動きをゆっくりにし、少ない食事量で満足しやすくします。
その結果、短期間で大きく体重が落ちることがあります。

急に体重が減ると、

  • 顔:ほほ・こめかみの脂肪が減って、シワ・たるみ・こけた感じが強くなる(オゼンピック・フェイス)
  • お尻:ボリュームを支えていた脂肪が減って、平ら・垂れ気味に見える(オゼンピックのお尻)
  • 胸:バストの脂肪が減り、ハリがなくなる(オゼンピックの胸)
  • 唇:顔全体のボリューム減少に伴い、唇も「しぼんだ」「薄くなった」と感じやすい(オゼンピックの唇)

といった変化が起こります。

この現象は、GLP-1薬特有というより、どんな方法でも「短期間で大幅に痩せたとき」に起こりやすい変化です。
ただ、GLP-1薬はその減量効果が大きいぶん、こうした変化が目立ちやすく、「オゼンピック顔」などの名前がついてしまったと考えられます。

3-2. 体重の落とし方とスピードが鍵

  • ゆっくり少しずつ体重を落とす
  • タンパク質・筋トレで筋肉とハリを維持する

といった工夫によって、「皮が余る」「しぼむ」変化はある程度和らげることができます。
一気に落とすほど、顔・お尻・胸・唇の「しぼみ」は強く出やすいことを、最初に共有しておくことが大切です。

3-3. オゼンピックで筋肉も減少する?

セマグルチド(オゼンピックなど)で体重が大きく減ると、主に脂肪が減りますが、筋肉などの除脂肪量も一緒に少し減ることが、臨床試験やまとめ論文で示されています。
おおまかには、減った体重のうち 6〜8割が脂肪、2〜4割が筋肉などというイメージです。

  • これは「薬が筋肉を毒性で溶かしている」というより、急激な減量をするときに必ず起こりやすい現象と考えられています。
  • 多くの研究では、体組成のバランスとしては「脂肪が優位に減る」ため、筋肉の“割合”自体は大きく崩れていません。

ただし、特に高齢の方やもともと筋肉が少ない方では、

  • 十分なタンパク質摂取
  • 軽い筋トレ・レジスタンス運動
    を組み合わせないと、筋肉量の減り過ぎ=フレイル・サルコペニアのリスクが高まる可能性は指摘されています。

4. 「オゼンピック・ティース」とは?歯に何が起きているのか

「オゼンピック・ティース」と呼ばれているものの中身は、主に次のような歯や口のトラブルです。

  • 虫歯が短期間で増える
  • 歯がしみる
  • 予期せず歯が欠ける・割れやすい
  • 歯ぐきが腫れる・出血する・口臭が強くなる
  • 口が乾く(ドライマウス)

薬そのものが直接「歯を溶かす」わけではなく、

  1. ドライマウス(唾液の減少)
  2. 吐き気・嘔吐・胃酸逆流(酸蝕症)
  3. 食事量・栄養バランスの乱れ
  4. 体調不良によるブラッシング・フロスのサボり

といった要因が重なって、結果として歯と歯ぐきが一気にダメージを受けていると考えられます。

4-1. 医学的根拠:何が分かっていて、何がまだ分からないか

分かっていること(かなり確からしいこと)

  • GLP-1薬(セマグルチドなど)が、唾液分泌低下や口腔乾燥を引き起こしうることは、副作用報告や専門家のレビューでも繰り返し述べられている。
  • 吐き気・嘔吐・逆流が多い薬であることは、臨床試験・市販後調査でも一貫している。
  • ドライマウスと慢性的な嘔吐・逆流が、虫歯・歯周病・酸蝕・歯の破折リスクを高めることは、これまでの歯科文献でよく確立している。
  • セマグルチド使用者に口腔トラブル(虫歯・口臭・エナメル質損傷など)が増えているという臨床現場からの報告や、概説記事は増えている。

これらを組み合わせると、

オゼンピックなどによる唾液減少+嘔吐・逆流+生活変化が、歯を物理的に脆くし、結果として欠けやすく・割れやすくなる

という説明には、十分な間接的医学的根拠があります。

まだ分かっていないこと(エビデンスが不足している点)

  • 「オゼンピック使用群」と「非使用群」で、歯の破折率が何倍違うか、といった大規模疫学データやコホート研究は現時点ではない。
  • 「セマグルチドが歯質そのもの(エナメル質・象牙質)の構造や強度を直接変化させる」という実験的な証拠は現時点で示されていない
  • どの程度の期間・どの程度の用量で「オゼンピック・ティース」リスクが上がるのか、といった用量反応関係も不明

言い換えると、

  • 「セマグルチド=歯が割れる薬」と断定できる段階ではない
  • しかし、セマグルチドによる副作用と生活変化が、歯を割れやすくする条件をそろえてしまうことには、十分な理屈と臨床的な裏付けがある

というのが、現状に最も近い整理だと考えられます。

4-2. 歯が欠ける・割れるリスクを減らすために

理屈が上記のような「間接要因の積み重ね」である以上、対策もそこを抑えるのが合理的です。

  • ドライマウス対策:水分・唾液促進・保湿ジェルなど
  • 吐き気・逆流が強いときは内科主治医に相談(用量調整・投与スピード調整など)
  • 嘔吐直後はすぐ磨かず、うがい→時間をおいてからブラッシング
  • 高濃度フッ素や定期的なプロフェッショナルケアで、酸蝕と虫歯のリスクを下げる
  • 大きなダイエット目標より、「ゆっくり・栄養を保ちながら減量」を優先する

このあたりを押さえれば、「オゼンピック・ティース」のリスクはかなり軽減できると考えられます。

歯が欠ける・割れる症例が増え始めている歯科医院では、今後、症例の蓄積や後ろ向き研究から、もう少し具体的な数字やリスク因子が見えてくる可能性があります。

5. 「オゼンピック舌」とは?GLP-1薬と味覚の関係

GLP-1薬を使い始めてから、

  • 甘いものがおいしくない
  • 全体に味が薄く感じる
  • 金属っぽい味や苦味が続く
  • 食べ物への興味(「食べ物の雑音」)が減った

と感じる人がいます。これを俗に「オゼンピック舌」と呼ぶことがあります。

ポイントは、

  • GLP-1受容体は舌の味蕾や味覚に関わる神経にも存在する
  • GLP-1薬による味覚変化・味覚低下・ドライマウスが副作用として報告されている
  • 一部の研究では、セマグルチド投与で甘味の感度や脳の反応が変化したという報告もある

ことです。

さらに、体重変化そのものも味覚に影響し得ることが、体重と味覚の関係をまとめたシステマティックレビューで示されています。
肥満者は甘味・塩味の感度が低い傾向があり、減量後に味覚が変化する例もありますが、結果はまだ一貫しておらず、「痩せれば必ずこうなる」とまでは言えません。

6. マンジャロでも同じようなことは起こる?

7-1. 結論:マンジャロでも「起こり得る」と考えるのが安全

マンジャロ(チルゼパチド)は、GLP-1とGIPの両方に作用する「二重作動薬」です。
とはいえ、

  • 強い食欲抑制
  • 吐き気・嘔吐・胃腸症状
  • 大きな体重減少

といった点はオゼンピックと共通しています。

したがって、

  • ドライマウス
  • 酸蝕症(嘔吐・逆流がある場合)
  • 栄養バランスの乱れ
  • 急な減量による見た目の「しぼみ」
  • 味覚変化

といった問題は、オゼンピックだけでなくマンジャロでも起こり得ると考えるのが妥当です。

7-2. 現時点での限界

現時点では、「マンジャロに特有のオゼンピック・ティース/舌」のような報告はまだ多くありません。
つまり、

  • 「マンジャロなら絶対に安全」でも
  • 「必ず問題が出る」でも

ありません。
少なくとも、同じような体重減少と胃腸症状が出る以上オゼンピックと同程度には注意が必要と考えるべきです。

7. 歯科医が勧めるチェックリストとセルフケア

医療者に必ず伝えてほしいこと

  • 使っている薬の名前(オゼンピック/リベルサス/マンジャロなど)
  • 使い始めた時期と増量の有無
  • 吐き気・嘔吐・胸やけ・逆流・ひどい便秘の有無
  • ここ数か月の体重変化(何kg落ちたか)

これは内科医だけでなく歯科にかかるときにも伝えることで、口腔内の環境変化に気づきやすくなります。

毎日チェックしたいポイント

  • 口の乾き・ネバつきが強くなっていないか
  • 歯ぐきの腫れ・出血、口臭の悪化がないか
  • 冷たい・熱い・甘いもので急にしみるようになっていないか
  • 吐き気・嘔吐・酸っぱい逆流が続いていないか
  • 味が変・薄い・おいしくないと感じる期間が長く続いていないか

今日からできるセルフケア

  • 歯磨き:1日2回以上、フッ素入り歯磨剤でていねいに
  • フロス・歯間ブラシ:毎日1回は必ず
  • ドライマウス対策:水分をこまめに、キシリトールガムや唾液促進ジェルを活用
  • 嘔吐・逆流時:直後はうがいのみ、30〜60分後にやさしくブラッシング
  • 栄養:たんぱく質・ビタミン・ミネラルを意識してとる

8. ダイエットと口・顔の健康を両立させるために

  • オゼンピック顔・お尻・胸・唇は、急激な体重減少による脂肪減少と皮膚のたるみの問題
  • オゼンピック・ティース/舌は、GLP-1薬による胃腸症状・ドライマウス・体重変化・味覚変化が重なった口腔の問題

どちらも、「薬が悪い」という単純な話ではなく、強い効果と、どう安全に付き合うかの問題です。

  • 糖尿病治療薬であるため、適用外使用は避けること
  • 減量のスピードと栄養の質が、見た目と口の健康に大きく影響すること
  • 内科(処方医)と歯科の両方に状況を共有すること

この3つを押さえれば、治療と健康、「噛める」「おいしく食べられる」を両立させる可能性はぐっと高まります。薬には副作用がつきものです。痩せるためだけの適用外使用は見た目はもちろん、結果的に健康を害す可能性が高いと考えられます。

健康への近道はありません。きちんと自分の生活習慣や病気と向き合うことが最も重要です。

参考文献

【ニュース/解説記事など】

  1. CNN 減量薬の副作用がもたらす「オゼンピック顔」、美容整形ブームをけん引か 米
    https://www.cnn.co.jp/style/beauty/35236528.html
  2. Is Ozempic ruining your teeth? What to know about impact on dental health (2025)
    FOXニュース:オゼンピックは本当に歯をダメにするのか:歯科への影響
    https://www.foxnews.com/health/ozempic-ruining-your-teeth-what-know-about-impact-dental-health
  3. 2型糖尿病治療剤によって首の皮膚がたるむ? 「オゼンピック・ネック」の原因を医師が解説|ハーパーズ バザー(Harper’s BAZAAR)公式 (2023)
    https://www.harpersbazaar.com/jp/beauty/health-food/a45074568/what-is-ozempic-neck-230918-lift1/
  4. “オゼンピック乳房”とは?2型糖尿病治療薬による減量で「新たな副作用」について医師が解説|ハーパーズ バザー(Harper’s BAZAAR)公式(2024)
    https://www.harpersbazaar.com/jp/beauty/health-food/a60795410/ozempic-breasts-side-effect-240519-lift1/#
  5. ‘Ozempic Teeth’: GLP-1 Drugs May Cause Tooth Decay, Experts Say (2025)
    「オゼンピック・ティース」:GLP-1薬が虫歯を引き起こす可能性について専門家が解説
    https://www.healthline.com/health-news/ozempic-teeth-may-impact-dental-health
  6. GLP-1s May Quiet ‘Food Noise’ and Alter Taste (2025)
    GLP-1製剤は「食べ物の雑音」を抑え、味覚を変える可能性
    https://www.medscape.com/viewarticle/glp-1s-may-quiet-food-noise-and-alter-taste-2025a1000os0

【論文】

  1. Effects of weight change on taste function; a systematic review (2023)
    体重変化が味覚機能に及ぼす影響:システマティックレビュー
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10165840/
  2. Pharmacovigilance analysis of neurological adverse events associated with GLP-1 receptor agonists (2025)
    GLP-1受容体作動薬に関連する神経学的有害事象の薬剤監視解析
    https://www.nature.com/articles/s41598-025-01206-9
  3. GLP-1 has the power to change taste sensitivity in women with obesity (2025)
    GLP-1は肥満女性の味覚感受性を変化させる
    https://www.endocrine.org/news-and-advocacy/news-room/2024/endo-2024-press-jensterle-sever
  4. Does intervention with GLP-1 receptor agonist semaglutide change taste perception? A study protocol (2021)
    GLP-1受容体作動薬セマグルチドによる介入は味覚知覚を変化させるか:研究プロトコル
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8287101/
  5. A systematic review of the effect of semaglutide on lean mass (2024)
    セマグルチドが除脂肪量に与える影響:臨床試験のシステマティックレビュー
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38629387/
  6. Impact of Semaglutide on Body Composition in Adults With Overweight or Obesity: Exploratory Analysis of the STEP 1 Study (2021)
    過体重・肥満成人におけるセマグルチドの体組成への影響
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8089287/
  7. Semaglutide ameliorates cardiac remodeling in male mice by improving cardiac function and reducing fibrosis (2024)
    セマグルチドは心機能改善と線維化抑制を通じてマウスの心臓リモデリングを改善する
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11150406/
  8. Effect of GLP-1 receptor agonists on body composition (2025)
    GLP-1受容体作動薬が体組成に及ぼす影響
    https://journals.lww.com/10.1097/MED.0000000000000934/

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