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水道水の天然フッ素濃度が高いと子どもの虫歯が減るという話

「 水道水中の天然フッ化物濃度が0.1 ppm高いと子どものう蝕が3%少ない 」【松山祐輔 准教授】 | Science Tokyo 旧・東京医科歯科大学 (2023)

  • 今回の研究により、水道法の上限の範囲で、水道水中の天然フッ化物濃度が0.1 ppm高くなるごとに、う蝕治療経験を有する子どもが3%少なくなることがわかりました。

※ここでのフッ化物とはフッ化ナトリウムなど無機フッ素化合物のことで、健康への悪影響が心配されているPFAS(ピーファス、有機フッ素化合物の総称)とは異なります。

こちらの記事を見かけたので、どの地域が高くてどの地域が低いのとか一覧でパッと分からないものかと思って軽く調べてみました……が、大変そうだったので諦めて簡単にまとめました。

自分の地域の水道水のフッ化物濃度が低かったからといって高いところへ引っ越す人はいないでしょうし、フッ化物洗口液を使ったほうが手っ取り早いですからね。

ちなみにこの研究の先生が、その後の新たな研究成果を発表しています。

水道水フロリデーションが子どものむし歯格差を改善 東京科学大学などが実証 – 大学ジャーナルオンライン (2025)

水道水フロリデーション地域に居住していた子どもは、他地域の子どもより、う蝕が平均0.9歯面少ないことが分かった。予防効果にはばらつきがあったが、集団全体では効果を認めた。特にひとり親家庭で収入が低い世帯など、社会経済的に不利な背景を持つ子どもほど大きな予防効果が示された

論文にもある通り、日本の水道水に含まれる天然フッ素(フッ化物イオン)濃度は、地域差が存在します。国内の一般的なフッ素濃度は0.05~0.20 ppmですが、一部の地域でやや高い数値が報告されています。

フッ素濃度が高い地域

東北地方、関東地方、甲信越地方の一部地域

  • 1978年以降、天然フッ素地域として調査され、一部地域の水道水で最大1.4 ppmのフッ素濃度が確認されています。
  • 7つのフッ素濃度地域、水道給水系26箇所で調査されたうち、1 ppmを超える例もごく一部で発見

具体例(論文調査より)

  • 山形県、福島県、群馬県、長野県などの一部地域の地下水・井戸水由来の水道では、0.3~1.0 ppm程度の地点が確認されています。

フッ素濃度が低い地域

全国的には0.05~0.20 ppm程度が一般的

  • 日本の大半の地域、特に北海道・東北南部・中国・四国・九州では、濃度は0.05~0.10 ppm未満とされています。
  • 土壌や地質の影響が少なく、表流水主体の地域は比較的低い傾向。

地域主な水源フッ素濃度の傾向 (ppm)特徴
東北・関東・甲信越の一部地下水・伏流水主体0.3 ~ 1.4一部地域で高濃度
沖縄(過去)水道水添加0.4 ~ 1.1米国統治時代に一部添加経験
北海道・西日本など表流水主体0.05 ~ 0.15ほぼ全国平均~より低い値
都市部(東京・大阪)河川水・表流水混合0.07 ~ 0.12平均的な範囲

備考と注意点

  • 日本では水道水フロリデーション(人工添加)は基本的に行われていないため、フッ素濃度の差は地質・水源の特徴に依存します。
  • 市区町村単位での最新値は、各自治体の水質検査結果(水道局HP等)で確認する必要があります。
  • 一般的に火山地帯や石灰岩地帯の地下水ほどフッ素濃度が高くなる傾向があります。

まとめ

  • 高濃度地域:東北・関東・甲信越の一部(山形・福島・群馬・長野)
  • 低濃度地域:北海道・西日本・四国・九州・各大都市の表流水利用地域

大多数の日本国内の水道水のフッ素濃度は0.05~0.2 ppm前後で、健康被害やフッ素症の公衆衛生的なリスクは極めて低いと考えられています。

参考文献

  1. 「 水道水中の天然フッ化物濃度が0.1 ppm高いと子どものう蝕が3%少ない 」【松山祐輔 准教授】 | Science Tokyo 旧・東京医科歯科大学
  2. 上記記事の論文:日本における水道水天然フッ化物と親の報告による子供の虫歯経験:全国出生コホート調査からの証拠 / Tap water natural fluoride and parent‐reported experience of child dental caries in Japan: Evidence from a nationwide birth cohort survey – Matsuyama – 2023 – Community Dentistry and Oral Epidemiology – Wiley Online Library
  3. 水道水質データベース
  4. 水道水フロリデーションが子どものむし歯格差を改善 東京科学大学などが実証 – 大学ジャーナルオンライン
  5. 上記記事の論文:口腔保健格差の縮小に向けた人口戦略としての水道水フッ化物添加:機械学習を用いた高次元効果異質性分析 / Water fluoridation as a population strategy for reducing oral health inequalities: high-dimensional effect heterogeneity analysis using machine learning | International Journal of Epidemiology | Oxford Academic
  6. 飲料水中フッ素濃度と歯牙フッ素症および非フッ素性白斑発現の関係(1994)
  7. わが国における水道水フッ素濃度に関する研究 : 近年の関東地方を中心とする測定結果(1999)


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