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歯のシーラントは大人にも有効か?

歯のシーラントは、主に乳歯生えてきたばかりの永久歯(幼若永久歯)に対する虫歯予防として知られていますが、実は大人にも役立ちます。初期~浅層のむし歯病変にシーラントを施すことで、修復治療を回避または延長できるエビデンスが増えているのです。ただし、効果を長持ちさせるには定期的なチェックや補修が必要です。ここでは、大人がシーラントを受けるメリットや注意点をまとめました。

シーラントの効果と持ち

シーラントは歯のかみ合わせ面の溝に入り込み、食べかすや細菌が侵入するのを防ぎます。レジン系またはグラスアイオノマー(GI)系の材料を歯の溝に塗布・硬化させ、むし歯菌の侵入をブロックする処置です。

シーラントの適用対象

エナメル質表面に限定した初期病変(ICDASコード1~3)や、放射線写真で外側1/3の象牙質までにとどまる浅い病変(ICDASコード4)に対して適応されます。

  • ICDASコード1~3:白濁や浅い凹凸が見られるが、歯質の欠損はない段階。
  • ICDASコード4:歯質に小さな欠損があるが、象牙質の深部まで進行していない段階。

これらの段階でシーラントを行うと、むし歯進行を効果的に抑制できます。

歯の咬合面の溝(小窩裂溝)のタイプ

Fissure Sealant for prevention of fissure caries [PDF]

小窩裂溝へシーラントをした場合

“Pit and Fissure Sealants—A Comprehensive Review” https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6023524/

代表的な研究成果

1. Bakhshandehらの成人臨床試験

対象:修復治療予定の成人中等度象牙質う蝕病変72歯
結果:

  • シーラントの剥離・破損で再処置が必要となったのは14%
  • 病変進行による修復が必要になったのは6%
  • シーラント下で進行した例は10%未満にとどまった

大部分の病変が進行せず安定しており、成人でもシーラントのう蝕制御効果が示されました。

2. Cabalénらによるシステマティックレビュー

範囲:成人・小児のかみ合わせ面病変に対するシーラントとフッ化物塗布の比較
結論:

  • シーラントは初期病変の進行抑制および新規発症予防に優れる
  • 成人にも同様の効果が認められる

3. Rodríguezらの比較試験

対象:ICDASコード1~3の初期~浅層病変
比較:

  • ガラスアイオノマーシーラント群 → 活性病変残存3%
  • フッ化物バーニッシュ塗布群 → 活性病変残存22%

シーラント群が8.8倍高い進行抑制効果を示し(p=0.01)、成人初期病変でも有効性が立証されました。

メリットとフォローアップのポイント

シーラントの最大のメリットは「非侵襲的・非修復的にむし歯進行を止められる」ことです。しかも処置は短時間で痛みもありません。一方でシーラント材の破損・剥離は毎年5~10%程度報告されており、定期検診で状態をチェックし、必要に応じて補修・再充填することが長期的効果維持のコツです。

  1. リスク評価をしてから
    むし歯リスクが高い歯に絞って適用すると効率的です。
  2. 定期的なチェック
    年に1回以上、シーラントの状態を歯科で確認し、剥がれや摩耗があればすぐ補修を。
  3. ほかの予防策と併用
    フッ素入り歯磨き粉やフッ素洗口、プロによるクリーニングと組み合わせると、さらなるむし歯予防効果が期待できます。

まとめ

  • 大人の初期~浅層かみ合わせ面病変に有効:シーラント適用でむし歯進行を抑制
  • 定期的なチェックと補修が必須:5~10%/年の破損率をフォロー
  • 非侵襲的・短時間・痛み少:忙しい大人にもおすすめ

「歯の溝が気になる」「最近白い点が出てきた」と感じたら、シーラントの相談をしてみましょう。


参考文献

  1. Bakhshandeh A, et al. Use of therapeutic sealants on occlusal surfaces (咬合面への治療用シーラントの使用). Odontoestomatología 2012;26(44):e337. http://www.scielo.edu.uy/pdf/ode/v26n44/en_1688-9339-ode-26-44-e337.pdf
  2. Cabalén E, et al. Nonrestorative Caries Treatment: A Systematic Review Update (非修復性う蝕治療:システマティックレビュー更新). J Dent 2022;118:103891. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S002065392200168X
  3. Rodríguez AA, et al. A randomized clinical trial on the sealing of occlusal carious lesions (咬合面う蝕病変封鎖の無作為臨床試験). J Dent Res 2017;96(7):754–760. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28591240/
  4. Pereira-Cenci T, et al. A concise review of dental sealants in caries management (う蝕管理における歯科シーラントの簡潔なレビュー). Int J Dent 2023;2023:10149715. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10149715/

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