ゲーマー必見!エナジードリンクと強炭酸水の違い:疲労度・集中力と健康・自殺リスクについて
最終更新日:2026/5/18

目次
- エナジードリンクってどんな飲み物?
- エナジードリンクの「良い面」:目が覚める・集中しやすい
- エナジードリンクの「気をつけたい面」
- 心の健康とエナジードリンク:自殺リスクとの関係
- 炭酸水と歯:どこまで心配すべき?
- ゲーム中の飲み物選び:強炭酸水はエナドリの代わりになる?
- 日常生活でどう活かすか
1. エナジードリンクってどんな飲み物?
エナジードリンクは、「眠気を飛ばす」「集中力を上げる」「元気を出す」といった効果をうたう飲み物です。
多くの商品には、カフェイン(1本あたり80〜300 mg)、たくさんの砂糖、タウリン、ビタミンB群などが組み合わさって入っています。
特に10代〜30代前半の若い男性、学生、スポーツ選手、ゲーマーなどでよく飲まれていて、「試験前」「夜のゲーム」「徹夜作業」などで使われることが多いと報告されています。
2. エナジードリンクの「良い面」:目が覚める・集中しやすい
2020年までの研究をまとめたレビューによると、エナジードリンクを1本飲むと、短い時間で次のような変化が見られることが分かっています。
- 眠気が減って、頭がシャキッとする
- 反応が速くなる(ボタンを押すテストなどで)
- 集中力や注意が一時的によくなる
2024年に行われた臨床試験のまとめでは、エナジードリンクを飲んだ直後に「パフォーマンスが少し良くなる」一方で、血圧と心拍が有意に上がることも確認されています。
つまり、「効いている」ことは確かですが、その裏で体に負担がかかっている可能性もある、ということです。
3. エナジードリンクの「気をつけたい面」
3-1. 心臓と血管への負担
2015年以降の複数の医療論文では、エナジードリンクを飲むと心臓や血管に負担がかかることが報告されています。
- 1本飲んだだけでも、血圧と心拍が有意に上昇する試験結果があります。
- たくさん飲んだあとに、心臓のリズムが乱れる「不整脈」や、心電図のQTという値が延びる(重い不整脈のきっかけになる)ケースも報告されています。
- まだ若い人でも、大量に飲んだあとに心筋梗塞や血栓症を起こした例が紹介されています。
2025年の総説では、「もともと心臓病や不整脈、高血圧がある人は、エナジードリンクは特に慎重に、あるいは避けたほうがよい」とまとめられています。
3-2. 太る・血糖値・腎臓など
- 多くのエナジードリンクには砂糖がたっぷり入っており、長く飲み続けると体重増加や血糖値の悪化につながる可能性があると指摘されています。
- 数週間〜数か月にわたり大量に飲んで、腎臓の働きが急に悪くなった例も報告されています。
3-3. 若い世代ほど影響を受けやすい
子どもや10代は体重が軽く、同じ1本を飲んでも「体重1kgあたりのカフェイン量」が大人より多くなります。
そのため、同じ量でも心臓や自律神経への負担が大きくなりやすく、睡眠リズムの乱れや不安感の増加なども指摘されています。
4. 心の健康とエナジードリンク:自殺リスクとの関係
2025年に発表されたシステマティックレビュー(たくさんの研究をまとめた論文)では、「コーヒーとエナジードリンクの摂取量と、自殺企図・自殺を考えることとの関係」が詳しく調べられました。
コーヒーについて
- 月60杯以上飲む人では、自殺企図のリスクが低くなるという結果が出ていました。
- 自殺を考える頻度も、コーヒーをよく飲む人で少ない傾向が見られました。
エナジードリンクについて
- 月1本程度という「それほど多くない量」でも、自殺を試みた経験や自殺を考えることと関連して、リスクが有意に高くなっていました。
- 飲む量が増えるほど、そのリスクも高くなる「用量反応関係」が確認されています。
研究者たちは、「コーヒーとエナジードリンクを同じカフェイン飲料として一括りにするのは危険で、メンタルヘルスへの影響はかなり違う可能性がある」とコメントしています。
また、「うつ傾向がある人やストレスの強い人ほどエナジードリンクを多く飲んでいる」可能性もあるため、「エナドリが原因」と断定はできませんが、少なくとも「メンタル面に不調を抱えた若い人で、エナジードリンクを多く飲んでいる場合は要注意」というサインと考えられます。
5. 炭酸水と歯:どこまで心配すべき?
5-1. 味付き炭酸水は「ジュース並み」の場合も
2007年にイギリスの研究グループが、市販のレモン味など「フレーバー付き炭酸水」の歯への影響を調べました。
- pH(酸性の強さ)は 2.7〜3.3 程度で、オレンジジュースと同じくらいの強い酸性でした。
- 歯の材料(ハイドロキシアパタイト)がどれくらい溶けるかを調べると、オレンジジュースと同じか、それ以上に溶かす商品もありました。
この結果から、「レモン味などの味付き炭酸水は、『水』ではなく、酸性飲料(ジュースの仲間)として考えるべき」と結論づけています。
5-2. 無糖のプレーン炭酸水はどうか?
2017年の韓国の研究では、家庭用ソーダメーカーで作った炭酸水を、削って処理した歯の表面につけて、硬さの変化などを調べました。
一方、2022年に行われたミネラルウォーターの研究では、市販の静水と炭酸入りの水を比べた結果、多くのミネラルウォーターは pH 5 前後で、コーラやオレンジジュースに比べると歯を溶かす力はかなり弱いと報告されています。
さらに、歯科医向け・一般向けの解説では、「無糖のプレーン炭酸水は、静水よりは少し酸性だけれど、砂糖入りの炭酸飲料やジュースよりはずっと安全な選択」と説明しているものが多いです。
6. ゲーム中の飲み物:強炭酸水はエナドリの代わりになりうる?
2026年に、筑波大学と飲料メーカー(アサヒ飲料)の研究チームが、eスポーツ中の飲み物について興味深い実験を行いました。
対象:数時間ゲームをプレーする人たち
飲み物:
- 無糖の強炭酸水
- ふつうの水(静水)
比べた項目:
- 疲れ具合の自己評価
- 集中力や判断力などの「実行機能」
- 瞳孔の大きさ(どれくらい脳に負荷がかかっているかの目安)
- ゲーム中の行動(ファウルの数など)
結果として、次のようなことが分かりました。
- 強炭酸水を飲んでいた人たちは、長時間プレーしたあとでも「疲れた」と感じる度合いが少なめでした。
- 集中力や判断力をチェックするテストでも、強炭酸水グループの方が能力が落ちにくい傾向がありました。
- ファウル(反則)の数が少なく、「イライラして荒れる」のを防げている可能性が示されました。
- 心拍数やストレスホルモンなどは悪化しておらず、砂糖もカフェインも入っていないのに、疲れや集中に良い影響が出たと報告されています。
この研究はまだサンプル数が限られており、「どんなゲームでも、誰にとっても必ず効果がある」とは言えません。
それでも、「ゲーム中の飲み物として、エナジードリンクの代わりに無糖の強炭酸水を選ぶ」という選択肢には、一定の根拠があると言えます。
7. 日常生活でどう活かすか
最後に、ここまでの内容を「どう行動に落とし込むか」という視点でまとめます。
7-1. エナジードリンクの使い方
「徹夜明けでどうしても運転しなければいけない」といった、命に関わる場面の“奥の手”として使うならまだしも、日常的に何本も飲むのはおすすめできません。
心臓病・不整脈・高血圧がある人、メンタル面で不調を抱えている人(うつ、不安、自傷歴があるなど)は、エナジードリンクは避けるか、医師と相談したうえで使うのが安全です。
「眠いからエナドリ」ではなく、
- 睡眠時間を確保する
- 30分ごとに休憩を入れる
- コーヒーやお茶など、よりマイルドな飲み物に切り替える
といった工夫の方が、長期的には体にも心にも優しい選択です。
7-2. 炭酸水と歯
無糖のプレーン炭酸水は、「静水よりは少し酸性だけど、ジュースやコーラと比べればずっとマシ」と考えてよいです。
レモン味などの味付き炭酸水は、オレンジジュース並みに歯を溶かす力があるというデータもあるので、「ちびちび一日中飲む」ことは避けたほうが安全です。
酸の影響を少なくするコツとしては、
- 食事と一緒に飲む(単独でダラダラ飲まない)
- 飲んだ直後にゴシゴシ歯を磨かず、30〜60分後に磨く
といった習慣が役立ちます。
7-3. ゲーマーや受験生への一言アドバイス
- 「集中力を上げたいなら、まずは睡眠と休憩。それでも足りないときの選択肢として、エナジードリンクではなく、コーヒー少量+無糖の強炭酸水を試すのがおすすめ。」
- 「メンタル面でしんどいときに、エナジードリンクで無理にがんばろうとする習慣は、自殺リスクとの関連も指摘されているので注意が必要です。」
- 「歯のことを考えるなら、“味付き炭酸”より“無糖の炭酸水”、それも“だらだら飲み”ではなく、食事や休憩のタイミングでまとめて飲むほうが安心です。」
エナドリの常飲が習慣化している人は、虫歯の危険性が高いです。ぜひ一度歯医者を受診してみましょう。生活習慣の変化は歯科受診のきっかけのひとつになります。
参考文献
- Energy Drink Consumption: Beneficial and Adverse Health Effects (2015)
エナジードリンク摂取:有益な効果と有害な健康影響
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4682602/ - Energy Drinks and Their Adverse Health Effects: A Systematic Review of the Current Evidence (2020)
エナジードリンクとその有害な健康影響:現在のエビデンスのシステマティックレビュー
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8083152/ - Acute consumption of energy drinks and cardiovascular function: a systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials (2024)
エナジードリンクの急性摂取と心血管機能:ランダム化試験のシステマティックレビューとメタ解析
https://academic.oup.com/nutritionreviews/article-abstract/82/8/1028/7268826 - The Effects of Energy Drinks on the Cardiovascular System (2025)
エナジードリンクが心血管系に及ぼす影響
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12618331/ - Association of Coffee and Energy Drink Intake with Suicide Attempts and Suicide Ideation: A Systematic Review and Meta-Analysis (2025)
コーヒーおよびエナジードリンク摂取と自殺企図・自殺念慮との関連:システマティックレビューとメタ解析
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40507181/ - The erosive potential of flavoured sparkling water drinks (2007)
フレーバー付き炭酸水飲料の酸蝕ポテンシャル
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17263857/ - Effect of carbonated water manufactured by a soda carbonator on the erosion of etched or sealed enamel (2017)
ソーダメーカーで作製した炭酸水がエッチング/シーラント処理エナメルに与える影響
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5702778/ - Assessment of the erosive potential of mineral waters in vitro (2022)
ミネラルウォーターの酸蝕ポテンシャル評価(in vitro)
https://opendentistryjournal.com/VOLUME/16/ELOCATOR/e187421062208180/FULLTEXT/ - Damage from Carbonated Soft Drinks on Enamel: A Systematic Review (2023)
炭酸清涼飲料がエナメル質に与える損傷:システマティックレビュー
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10096725/ - Sparkling Water Helps Keep Minds Sharp During Long Esports Sessions (2026)
強炭酸水は長時間のeスポーツ中の集中維持に役立つ
https://www.tsukuba.ac.jp/en/research-news/20260220140000.html
関連記事 |船橋の歯医者・矯正歯科|かわせみデンタルクリニック
- デジタルゲーム(TV/PCゲーム)が歯を悪くするって本当? —— ゲーミング習慣による食生活・睡眠・BMI・ストレスへの影響と虫歯・歯周病の関係性
- 歯をテーマにした家庭用ゲーム:初級からホラーまで楽しく体験
執筆・監修 中村 瞬
かわせみデンタルクリニック 院長 / 歯学博士(歯科麻酔学)/ 日本歯科麻酔科学会 認定医
医療記事を数多く執筆・TV取材多数
医学的根拠(エビデンス)に基づいた正確で分かりやすい情報を患者目線でお届けしています。
かわせみデンタルクリニック
所在地:〒273-0005 千葉県船橋市本町6丁目3−20 ベルヴィル船橋本町 1階B号室
電話番号:047-409-2988
JR・東武鉄道「船橋」駅 徒歩4分
平日 9:00 ~ 13:00 14:30 ~ 18:00
土曜 9:00 ~ 13:00 14:00 ~ 17:00
(休診:日曜・月曜・祝日)

当院は、初診時にしっかりと検査を行い、歯周病・虫歯・根管治療から矯正歯科・小児矯正まで、丁寧にご説明のうえで治療を進めています。
治療後も再発予防に努め、安心して通える歯科医院をめざしています。

