コラム|船橋の歯医者|かわせみデンタルクリニック

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0歳児の食育と口腔機能、アレルギー予防について

乳児期(0歳児)は「吸う」から「食べる」への大きな変化が起こる時期です。この時期に適切な観察と支援を行うことで、成長に必要な栄養をしっかり摂れるだけでなく、口やあご、舌の動きといった口腔機能の土台を作り、将来の健康リスクを抑えられます。

1. 口腔機能・食育指導が必要な理由

栄養摂取と口腔機能の発達

生後5~6か月頃になると、母乳やミルクだけでは鉄やビタミンDなどの栄養が不足しがちです。そこで離乳食(固形に近い補完食)を始め、必要な栄養を補いながら、かむ・飲み込む動きを少しずつ学びます。離乳食の形は、なめらかなペーストから固さを増していくことで、舌やあごの筋肉を鍛え、将来のかみ合わせや言葉を話すための準備をします[1]

哺乳期の口腔刺激

母乳やミルクを吸う動きは、口まわりの筋肉をバランスよく発達させます。乳首をしっかり口に含んで舌を動かすことで、あごの骨が広がり、正しいかみ合わせの基礎が作られます。最初の「吸う」動作が、後の「かむ」「飲み込む」のスムーズな移行につながります[2]

嚥下機能の成熟

乳児期の飲み込みは、舌を前に出す「乳児型嚥下」ですが、歯が生え始める6~12か月頃には徐々に舌を内側に引き込む「成熟型嚥下」へ移行します。この移行が順調にいくことで、固形物を安全に飲み込み、誤って気管に入るリスクを減らします[2]

食物アレルギー予防

昔はアレルギーを避けるために食べ物を遅らせることが勧められましたが、最近の研究では生後5~6か月頃から加熱した卵黄など、様々な食べ物を少量ずつ始める方が、アレルギー発症のリスクを低くできるとわかっています[1]

食物アレルギーの発症リスクに影響する因子として、遺伝的素因皮膚バリア機能の低下秋冬生まれ特定の食物の摂取開始時期の遅れが指摘されています。[1]乳児から幼児早期の主要原因食物は、鶏卵牛乳小麦の割合が高く、そのほとんどが小学校入学前までに治ることが多いとされています。[1]

将来の健康リスクの軽減

・あごや歯並びの乱れを防ぎ、虫歯や歯周病のリスクを抑える
・よくかまないことで起こる胃腸の負担を減らし、成長を助ける
・口呼吸を防ぎ、鼻での呼吸を促すことで、感染症や睡眠時無呼吸のリスクを下げる
・幼児期の味覚体験が将来の偏食を防ぎ、バランスのよい食生活を支える[3]

2. ご家庭でチェックすべき項目

チェック項目何を見る?どう対応する?
哺乳・離乳の準備首がすわっているか(約5か月)、スプーンに興味があるかスプーンを口元に近づけ、押し出さずに飲み込むか確認
口まわりの動き上下の唇が閉じるか、舌小帯(舌の下のひだ)の異常異常があればかかりつけの小児科・歯科に相談
呼吸のしかた口呼吸でないか、鼻づまりがないか鼻づまりが続く場合は耳鼻科受診を検討
離乳食の形態5~6か月:ペースト状
7~8か月:舌でつぶせる硬さ
9~11か月:歯ぐきでつぶせる硬さ
月齢に合わせて段階的に形を変え、よくかむ練習を支援
食事回数・間食食事は1日1回から3回へ食事リズムを整え、飲み物は水や麦茶など
アレルギーの反応皮膚の発疹や嘔吐、下痢、咳初めての食材は少量ずつ。異常時は医師に相談
口腔習癖指しゃぶりの長時間化、唇・頬をかむ癖習癖が続くようなら口腔機能トレーニングを検討

3. ご家庭での指導のポイント

  1. 観察と記録:食べた量や形、反応、口呼吸や習癖をノートに書き、受診時に共有しましょう。
  2. 正しい姿勢:背筋を伸ばし、椅子か膝の上で食べさせると誤飲を防ぎます。
  3. 楽しい雰囲気:家族みんなで食卓を囲み、「おいしいね」と声かけして、食事を楽しい経験に。
  4. 段階的導入:形はペースト→つぶし→刻みの順で。急な変更は控えましょう。
  5. 専門家連携:不安があれば地域の母子保健センターやかかりつけ医と相談を。

引用文献

  1. 授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)
    発表元:厚生労働省 母子保健課
    URL:https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf
  2. 小児の口腔機能発達評価マニュアル(第1版)
    発表元:日本歯科医学会
    URL:https://www.jads.jp/assets/pdf/basic/r02/20180301manual.pdf
  3. 健やか親子21(第2次)中間評価等に関する検討会報告書
    発表元:厚生労働省
    URL:https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000541865.pdf