【企業】ライオン株式会社がしている歯科の研究ってどんなのがあるの?
論文調べてたらうちの物販でも扱わせて頂いているライオンさんの論文が出てくることがありまして、他にはどんなこと研究してるのかなと 研究実績|研究開発 | ライオン株式会社 を覗いてみたら色々あったのでまとめてみました。利益相反はありません。
口腔衛生に関する主要な研究テーマ
1. ウイルス感染症予防への口腔ケアの貢献
◦ 口の中を清潔に保つこと(口腔衛生の改善)が、唾液のSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)やインフルエンザウイルスへの感染抑制効果を高める可能性が示されています。
◦ 歯磨剤や洗口剤に配合されている成分が、試験管内(in vitro)でSARS-CoV-2の感染に関わる因子(Sタンパク質-ACE2結合やTMPRSS2酵素活性)を阻害することが報告されています。これは、口腔ケア製品がエンベロープウイルスに対して殺ウイルス作用を持つ可能性を示唆しています。
◦ 日々の口腔ケア習慣が、新型コロナウイルス感染症流行下における感染予防に貢献する可能性も示唆されています。
2. 歯周病と口腔内細菌叢の研究
◦ 歯周病の原因菌に対するアプローチとして、オウバク抽出物(キハダの樹皮から得られる成分)が、歯周病菌の増殖を抑えたり、骨の破壊を抑制する効果が試験管内モデルで確認されています。
◦ 歯周病の治療後も、口の中の細菌叢(マイクロバイオーム)のバランスが崩れたままの「ディスバイオシス」の状態が続くことがあると指摘されています。
◦ 健康な人と歯周病患者の口腔内細菌叢を比較する研究も行われ、治療前後の変化が分析されています。
◦ 歯周組織の炎症を抑える成分(アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物)が、糖化によって引き起こされる歯肉炎症を抑制する効果も確認されています。
◦ 職場での歯科健診が、歯周病の改善だけでなく、全身の健康状態の改善にもつながる可能性が示されています。
◦ 乳幼児期から60ヶ月までの口腔内細菌の推移を次世代シークエンサーで分析し、その変化を追跡する研究も進められています。
◦ ラクトフェリンという成分が、ヒトの歯肉線維芽細胞の増殖や傷の治癒を促進する効果があることがin vitroで確認されています。
3. 虫歯予防とフッ化物技術
◦ フッ化物(フッ素)が歯の再石灰化を促進し、虫歯を予防する効果について、その詳細なメカニズムや、フッ化物が口の中に長く留まるための新しい技術が開発され、歯磨剤に応用されています。
◦ ピロリドンカルボン酸を配合した歯磨剤が、象牙質の脱灰(溶け出すこと)やコラーゲンの分解を抑制する効果が報告されています。
4. 口腔機能の維持・改善
◦ 「オーラルフレイル対策サービスORAL FIT」が、高齢者のトレーニング継続性や口腔機能に及ぼす影響について有用性が検証されています。
◦ 硬いグミを噛むこと(硬性グミ摂取)が、小学生の口腔機能に良い影響を与える可能性が示唆されています。
◦ 歯磨きによる口腔内への刺激が、自律神経の活動に影響を与える可能性も研究されています。
◦ 歯茎へのタッチ圧刺激(歯茎マッサージ)が、日常生活における主観的なホットフラッシュ症状の改善に寄与する探索的研究も行われています。
5. 口腔ケア製品と技術の進化
◦ 新しいマウスウォッシュの効果が歯科バイオフィルムモデルで研究されています。
◦ IoT(モノのインターネット)歯ブラシが開発され、子供の歯磨きナビゲーション機能による歯垢除去効果が評価されています。
◦ ゴム状の毛をコーティングした歯ブラシのステイン除去効果や、硝酸カリウムと乳酸アルミニウムを含む歯磨剤が知覚過敏を軽減する効果も確認されています。
◦ 子供用の曲がる・折れない安全歯ブラシは、喉突き事故を防ぐことを目指して開発され、その安全性と歯垢除去効果が検証されています。
◦ ベイズ最適化手法という人工知能の技術を用いて、歯磨剤の開発を高速化する研究も進められています。
◦ 介護される人の口腔ケアをしやすい「エラックハブラシ620」も開発されています。
6. 唾液の活用とバイオマーカー
◦ 唾液中のコルチゾール(ストレスホルモン)を検出するEIS型バイオセンサーの開発が進められています。
◦ 唾液や洗口吐出液から、様々な口腔内代謝物質のプロファイルを分析し、健康状態や個人差を評価する技術が確立されています。
7. 口臭とその対策
◦ 機械学習を用いて口臭レベルを推定する新しい方法が提案されています。
◦ 一般住民の口腔清掃習慣と口臭に関する実態調査も行われています。
8. 全身の健康との関連
◦ 26本以上の歯を持つ高齢者の口腔内細菌叢と腸内細菌叢、および代謝物質を統合的に解析する研究も進められています。これは、口腔の健康が全身の健康と密接に関わっていることを示唆しています。
◦ 就労者のオーラルケア行動と風邪の罹患率との関連性も調査されています。
9. 口腔ケア製品の安全性評価
◦ 医薬部外品などの口腔ケア製品の安全性を確保するため、動物実験代替法として、ヒトの口腔粘膜を模した3次元培養モデルを用いた口腔粘膜刺激性試験代替法が開発・検証されています。これにより、製品が口に触れた際の刺激性を事前に評価できるようになります。
これを見ていると、企業努力の片鱗が見えてきますね。
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