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歯科検診を受けないと高齢者の死亡リスクが上昇することが明らかに —— 死亡リスクは男性で1.45倍、女性で1.52倍

近年、国が国民皆歯科健診を行うべく取り組んでいます。

詳しく知りたい方は “歯科口腔保健の推進に向けた取組等について – 厚生労働省 2025/03/10 [PDF]” をご覧頂くとして、これは治療より予防をした方が良い、つまり歯科検診を受けたほうが寿命が長くなることが分かってきたからです。

医科でもメタボという言葉を作り、検診によってメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を早期に発見しすることで生活習慣病の予防・改善を目指しています。そしてこういった治療より予防の動きは結果的に増大する社会保障費を削減するためにも必要な観点となっており、今後加速していくことと考えられます。

今回記事にした研究も、文部科学省が実施する科学研究費助成事業(科研費)における、独創的かつ先駆的な研究を対象とした研究結果です。

歯科健診未受診の高齢者で死亡リスクが約1.5倍に – 歯科健診が“命を守る”可能性、大阪府94万人データから判明 ResOU 大阪大学(2025)

こちらの発表の元となった論文1では、歯科健診も歯科受診も受けていない高齢者は、死亡のリスクが男性で1.45倍、女性で1.52倍であることが明らかになりました。

未治療の虫歯や歯周病、放置した親知らずがあると死亡率が上がることが海外症例や国内症例で分かっています。過去にはこんな記事でまとめました。

その中で取り上げた論文の中でも、特にアメリカの大規模調査は分かりやすいです。

米国成人の歯数、未治療の虫歯および死亡率:人口ベースのコホート研究2 (2022) において、アメリカの成人24,029人のデータを、最長で27年間追跡した結果、次のようなことが分かりました。

  • 歯の数が少ないほど、あらゆる原因での死亡リスクが高まる傾向がありました(心臓病やがんによる死亡リスクも含む)。具体的には、歯が10本失われるごとに、全死亡リスクが13%、心臓病による死亡リスクが16%、がんによる死亡リスクが19%上昇しました。
  • 未治療の虫歯がある場合も、全死亡リスクと心臓病による死亡リスクが高まりました。未治療の虫歯があると、全死亡リスクは26%、心臓病による死亡リスクは48%上昇しました。
  • 特に、未治療の虫歯があり、かつ歯の数が16本以下の人は、虫歯がなく歯が25~28本ある人と比べて、全死亡リスクが53%、心臓病による死亡リスクが96%も上昇しました。

現状、学校の歯科検診では口の中を診るだけでレントゲンは撮ってもらえませんから、詰め物被せ物の下の虫歯など見えない、見えづらい虫歯などは見逃しやすいですし、会社の健康診断では医科の検診項目だけで歯科検診が含まれているところはまれです。しかし、国民皆歯科健診がいつから実施されるようになるのか現時点では決まっていません。

今のところは痛くないとき、症状がない時に今のうちからかかりつけを作って定期的にチェックしてもらえる癖をつけることが、今後重要になってきそうです。

引用論文

  1. Dental checkups and all-cause mortality in older adults aged ≥75 years: a large retrospective cohort study | The Journals of Gerontology: Series A | Oxford Academic
  2. Tooth count, untreated caries and mortality in US adults: a population-based cohort study [PMID: 35388877]

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