ハチミツとメープルシロップで虫歯のなりやすさは変わる?
甘くておいしいハチミツとメープルシロップ。朝食のパンやヨーグルト、コーヒーにかけて楽しむ方も多いでしょう。でも、“これらを使うと虫歯になりやすいの?”という疑問をお持ちではありませんか?この記事では、ハチミツとメープルシロップの違いを押さえつつ、虫歯リスクをわかりやすく解説します。
1. 主成分をチェック!
ハチミツの糖類組成(100g当たり)
| 糖類 | 含有量 (g) | 割合 (%) |
|---|---|---|
| 果糖(フルクトース) | 6.59-43.93 | 50.49 |
| ブドウ糖(グルコース) | 8.69-57.21 | 41.88 |
| ショ糖 | 11.18-77.41 | 1.35 |
| オリゴ糖 | 2.37-28.04 | 6.28 |
果糖は甘味が強く、粘度が高い一方で、口腔内細菌による酸産生はブドウ糖のほうが速いとされています。
メープルシロップの糖類組成(100g当たり)
| 糖類 | 含有量 (g) | 割合 (%) |
|---|---|---|
| ショ糖 | 59.29 | 98.3 |
| (ブドウ糖)グルコース | 0.50 | 0.83 |
| (果糖)フルクトース | 0.53 | 0.88 |
細菌はショ糖を素早く分解し、グルコースとフルクトースに変えて酸を大量に産生します。
2. 抗菌・抗酸化成分はどれくらい効く?
- ハチミツには過酸化水素やメチルグリオキサールなどの抗菌成分が含まれていますが、元々の濃度や口腔内で薄まることから「虫歯菌をガツンと減らす」ほどの効果は期待できません。
- メープルシロップにも抗酸化物質のフェノール類が含まれていますが、直接的な抗菌力はハチミツに及びません。
3. 粘性と口の中での残留時間
食品が口の中に長くとどまるほど、細菌が糖を分解して酸を作るチャンスが増えます。
- ハチミツはとても粘り気が強く、歯のすき間や溝に入り込みやすい
- メープルシロップも粘りはありますが、ハチミツほど濃厚ではありません
結果として、ハチミツのほうが歯面に残りやすく、細菌に利用される時間が長くなりがちです。
4. どっちのほうが虫歯になりやすい?
科学的には、どちらも糖質が主成分であり、酸を産生して歯のエナメル質を溶かす原因になります。
- メープルシロップはショ糖由来の酸産生力が高め
- ハチミツは粘着性によって長く口内に残りやすい
結論:「どちらかが特別に虫歯になりやすい」という大きな差はなく、どちらも使い方次第です。
参考文献
- 越後多嘉志. “蜂蜜の特性とその利用.” 玉川大学農学部, 1977年./“Characteristics and Utilization of Honey.”
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/72/4/72_4_244/_article/-char/ja/ - “FoodData Central: Maple Syrup”/「フードデータセントラル:メープルシロップ」
https://fdc.nal.usda.gov/food-details/169661/nutrients
論文を調べていて玉川大学がすぐに出てきたので、さすがミツバチの研究で有名なだけはあるなと思いました。
- ミツバチ科学研究センター|学術研究所|玉川大学 研究所
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この記事の監修者
中村 瞬
かわせみデンタルクリニック 院長 / 歯学博士(歯科麻酔学)/ 日本歯科麻酔科学会 認定医
医療記事を数多く執筆・TV取材多数
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